ナイジェリア政府、カーボンクレジット創出に150億円規模の投資 カーボンクレジット市場創出で脱石油経済へ

村山 大翔

村山 大翔

「ナイジェリア政府、カーボンクレジット創出に150億円規模の投資 カーボンクレジット市場創出で脱石油経済へ」のアイキャッチ画像

ナイジェリア連邦政府は10月7日、持続可能な経済転換を目的とする1億ドル(約155億円)規模の「オルテバ炭素プロジェクト(Orteva Carbon Project)」を発表した。カーボンクレジットの創出と気候資金の動員を通じて、同国のグリーン成長戦略を加速させる狙いだ。

この構想は、連邦財務相兼経済統括大臣ワレ・エドゥン氏がアブジャの同省で、デルタ州政府および民間企業エイス・ヴェルサ(Eighth Versa)と共同で訪問したオルテバ社の代表団を迎えた際に明らかにしたもの。エドゥン氏は「このプロジェクトは、ボラ・ティヌブ大統領の掲げる持続的成長ビジョンと完全に一致する時宜を得た取り組みだ」と述べ、政府のエネルギー転換計画の中核をなすと強調した。

同氏によると、オルテバ炭素プロジェクトはマングローブの保全からバイオ炭生産まで多岐にわたる構成を持ち、カーボンクレジット収益として3億5,000万ドル(約540億円)から28億ドル(約4,340億円)を生み出す可能性がある。これにより、ナイジェリアはアフリカで信頼性の高いカーボンクレジット取引の一大拠点となることを目指す。

エドゥン氏はまた、「政府は透明性の高いカーボンクレジット市場の枠組みを整備し、適正な価格メカニズムを構築する。民間企業にとっても、環境保全と経済的利益を両立できる新たな投資機会となる」と述べた。

財務省はさらに、国内外の気候資金を呼び込むため、政策的・財政的支援および信用補完の仕組みを整備する方針を示した。同プロジェクトは、ナイジェリアが脱石油依存の新たな経済モデルを構築し、サステナビリティと収益性の融合によって包括的成長を実現する「新経済フロンティア」を象徴するものと位置づけられている。

参考:https://fmino.gov.ng/fg-advances-green-growth-with-100-million-orteva-carbon-project/