米カリフォルニア州オンタリオを拠点とする農業テクノロジー企業ネイチャーズ・ミラクル・ホールディング(Nature’s Miracle Holding Inc.)は9月15日、台湾のカーボンクレジット・コーポレーション(Carbon Credit Corporation)と、総額2,000万ドル(約29億円)のカーボンクレジット・ポートフォリオ取得に向けた基本合意書(LOI)を締結したと発表した。取得規模は約100万トンの二酸化炭素(CO2)削減量に相当する。
同社は取得したカーボンクレジットを分散型台帳「XRPレジャー(XRPL)」上でトークン化し、取引の透明性と流動性を高めるデジタル環境資産として展開する方針だ。正式契約は30日以内に締結される見込みで、対価は新株発行によって支払われる。
今回のポートフォリオは、アジアおよび南米の水力発電やメタン削減事業で創出されたもので、国際認証機関Verraが運営するVCSに登録済みである。
XRPLはカーボンニュートラル設計と低エネルギー消費が特徴で、ARRや再生可能エネルギー由来のカーボンクレジットを安全かつ分散的にトークン化する基盤として注目されている。
ネイチャーズ・ミラクル会長兼CEOの李氏は「ニューヨーク証券取引所上場の小水力発電企業を率いた経験から、再生可能エネルギー由来のクレジットが果たす役割を理解している。今回の取得とXRPレジャーによるトークン化で、当社は実物資産トークン化の先駆けとなる」と述べた。
一方、カーボンクレジット・コーポレーションの高廷辰CEOは「台湾はEUの炭素国境調整メカニズム(CBAM)や米国のクリーン競争法(CCA)の実施を控え、戦略的な立場にある。トークン化はカーボンクレジット取引のアクセス性と信頼性を高める」と指摘した。
ネイチャーズ・ミラクルは農業向け環境制御技術(CEA)のほか、電気自動車流通やビットコイン採掘にも事業を拡大しており、今回の動きはXRPを用いたデジタル資産戦略の一環となる。
参考:https://investors.nature-miracle.com/news-events/press-releases/