米アーカンソー州で6,100ac規模、森林由来の高品質カーボンクレジットの認証取得

村山 大翔

村山 大翔

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米アーカンソー州で6,100エーカー規模、持続的森林管理による収益化も推進

米カーボンクレジット開発企業のNativStateは2025年5月、アーカンソー州北部の森林地帯において展開する「Mixed Upland Forests of the Ozarks & Ouachita Mountains」プロジェクトが、ACR(American Carbon Registry)の改良森林管理(IFM)方法論に基づく認証を取得したと発表した。

本プロジェクトは約6,100エーカーの森林を対象にしており、初回で81,000トン超の高品質なカーボンクレジットが生成された。これらの一部は既にNativStateの提携先に販売されており、残りも購入可能となっている。

プロジェクトは40年間にわたって継続され、森林を所有する地元の個人地主にとっては、持続可能な森林管理を通じた新たな収益源の確保にもつながる。伐採を抑制しつつ、森林の生育と炭素隔離を進める構造で、気候変動緩和と地域経済の両立を目指している。

今回の認証はNativStateにとって3件目となる森林由来のカーボンクレジットプロジェクトであり、現在も複数の案件が認証審査中だ。同社は全米50万エーカー超の私有林を対象とする森林保全プログラムを展開しており、米国最大級の民間自然資本プロジェクトの一つとされている。

NativStateのスチュアート・アレンCEOは「ACRによる検証を経たカーボンアグリーメントを通じて、森林伐採に頼らずとも意義ある収益が可能となる」と述べた。ACRの森林ディレクター、カート・クラップフル博士も「生物多様性や水資源保全といった多面的な環境価値を守る意義がある」と語っている。

本プロジェクトは、炭素削減だけでなく、土地の未来を守る長期的な自然資本形成の実例としても注目される。

参照:https://nativstate.com/carbon-credit-verification-801/