米ナスダック(Nasdaq)は11月12日、カーボン・ダイレクト(Carbon Direct)と共同開発した「カーボン発行カレンダー(Carbon Issuance Calendar)」の事前登録を開始した。この無料オンラインプラットフォームは、永続的な二酸化炭素除去(CDR)プロジェクトから入手可能なクレジットに関する洞察を提供し、カーボンクレジットのサプライヤーとバイヤー双方の意思決定を支援する。
サプライヤー側にとっては、このカレンダーがオフテイク(将来の購入確約)の利用可能性を一元化されたプラットフォームで公開する機会を提供し、市場の信頼と透明性を高める。また、データクレンジングとアップロードプロセスを支援することで一貫性を促進し、CDRプロバイダーは掲載料なしで希望の販売チャネルに接続できる。これにより、CDRサプライヤーはグローバルな企業や金融バイヤーのネットワークにリーチし、プロジェクトの市場露出度を高めることが可能になる。
バイヤー側も、このプラットフォームを通じて、幅広いサプライヤーからのクレジット利用可能性と「暫定的な価格設定」に関するデータに無料でアクセスできる。データはカーボン・ダイレクトの技術的知見とオフテイク取引経験を活用して透明性高く構成・提示されており、バイヤーは市場全体像を把握し、サステナビリティ計画に必要なクレジットを確保するための「専門的なデューデリジェンス」情報を活用できると説明した。
現時点では、主に「エンジニアリングベースのCDRソリューション」に焦点を当てたプロジェクトのクレジット利用可能性が表示されている。しかし、開発元は将来的に自然ベースのCDRクレジットも別セグメントで掲載する可能性に言及しており、両クレジットタイプに対する明確な理解を促す方針だ。
このプラットフォームは、バイヤーとCDR供給を結びつけることで、炭素除去技術の大規模な展開を前進させる一助となることが期待される。カーボン・ダイレクトは、これまで800件以上のカーボンクレジットプロジェクトのデューデリジェンスと250件以上の新興技術評価を完了しており、マイクロソフト(Microsoft)と協力して科学に基づいた高品質CDR基準の定義にも携わっている。正式ローンチ時には、事前登録ユーザー向けにこのデータベースが無料で提供される見通しだ。