マイクロソフト、260万トンCO2のカーボンクレジット契約締結 農業由来の土壌カーボンクレジットを12年間で取得

村山 大翔

村山 大翔

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米Microsoft(マイクロソフト)は2025年6月24日、ノルウェー系企業ヤラ・インターナショナル傘下のAgoro Carbon Alliance(アゴロカーボン)と、米国の農地を対象とした土壌由来カーボンクレジット2.6百万トン分を12年間にわたり取得する契約を締結した。これは、土壌由来のカーボンクレジットとしては過去最大級の取引となる。

アゴロカーボンは、再生型農業の導入支援を通じて炭素を土壌に固定し、第三者認証を受けたカーボンクレジットを創出している。

アゴロカーボンのプロジェクトは、VerraのVM0042「農地管理改善」手法に基づき、カバークロップ(被覆作物)の導入、放牧管理の改善、耕起の削減などを通じて、土壌中の炭素貯留を促進する。同社は農家や牧場主に対し、農業技術や資金面での支援を提供し、気候変動への対応力や収量の向上、入力資材の効率化などの効果ももたらしている。

アゴロカーボンのCEO、エリオット・フォーマル氏は「この契約は、我々の品質重視かつ農家中心のアプローチへの強力な支持である」と述べた。また、マイクロソフトのエネルギー市場担当シニアディレクター、ブライアン・マーズ氏は「アゴロカーボンの土壌CDR手法は、科学的厳密性と長期的な解決策を兼ね備えており、我々の炭素除去ポートフォリオに適している」と評価した。

マイクロソフトは2030年までにカーボンネガティブを達成する目標を掲げ、2024年には2,200万トン以上の炭素除去(CDR)契約を締結した。同社は、土壌CDRのほか、バイオ炭、森林管理、バイオエネルギー炭素回収・貯留(BECCS)、再植林など、多様な技術を組み合わせたCDR戦略を展開している。

今回の契約は、農業由来のCDRにおける品質と耐久性の新たな基準を示すものであり、持続可能な農業の拡大と企業による高品質なCDRへの需要の高まりを反映している。また、アゴロカーボンは、科学的根拠に基づく高品質な土壌CDRのリーダーとしての地位を確立している。

参考:https://agorocarbonalliance.com/news-entry/agoro-carbon-microsoft-12year-agreement-soil-carbon-removal-credits/