炭素回収技術の開発を進めるNuada社(北アイルランド)は4月8日、欧州委員会の「EICアクセラレーター」から250万ユーロの助成金を獲得したと発表した。EICは欧州で最も権威あるイノベーション支援制度の一つであり、今回の選出は、同社が同プログラムで資金支援を受けた北アイルランド初の企業となる。
EICアクセラレーターは、革新的な製品やサービスにより市場を変革し得るスタートアップ・中小企業を支援する制度で、今回は1200件超の応募の中から71社が採択された。英国からは5社のみであり、Nuadaは唯一の北アイルランド企業として採択された。
Nuadaは、従来のCCUS(炭素回収・利用・貯留)技術が抱える高コスト・高エネルギー消費という課題に対し、効率的かつ低コストな回収技術を開発中で、今回の資金はその商用化加速と市場投入準備に充てられる。共同CEOのホセ・カサバン氏は「産業脱炭素を革新する技術としての評価を受け、実用化に向けた重要な一歩」と述べた。