バイオ炭からクライメートフィンテックまで、地域課題に即した炭素除去技術が集結
CDR分野での起業支援を手がけるremoveは15日、アフリカ・カーボンリムーバル・アクセラレータ(Africa Carbon Removal Accelerator:ACRA)プログラムの第1期ファイナリスト12社を発表した。選出されたスタートアップは、サブサハラ・アフリカ地域に拠点を置き、地域特化型のCDRソリューションを開発している。
選出企業一覧と注目技術
今回選出された企業にはバイオ炭、生物分解、リジェネラティブ農業、廃棄物処理、クライメートテック、炭素鉱物化など、多様なCDRアプローチが見られる。主な参加企業は以下の通りだ。
- Safi Organics Ltd.(ケニア):農業残渣を生物炭に変換し、土壌改良と炭素貯留を両立
- BIOSORRA(ウガンダ):農村部向けの炭素除去型クリーンエネルギー
- Tera、Flux、Tivano など:デジタルプラットフォームを活用した炭素会計やフィンテック系のクライメートスタートアップ
その他、Kokari Coconuts、Releaf Earth(YC W19)、RecyCoalなどの注目企業もラインナップに含まれる。
アクセラレータの概要と支援内容
選ばれた12社は今後6か月間にわたるプログラムに参加。内容は、1対1のビジネスコーチング、CDRバイヤーや投資家とのネットワーキング、資金調達支援、事業成長戦略の設計など多岐にわたる。
本発表は、ケニア・ナイロビで開催された「カーボンリムーバル・サミット」にて行われた。removeによれば、ACRAには数百件の応募が寄せられ、アフリカ地域でのCDR分野への関心の高さが浮き彫りになったという。
審査は、気候分野の専門家で構成された審査委員会によって行われ、インパクト、スケーラビリティ、実現可能性を軸に選定された。
removeのグローバル展開と支援体制
removeは現在、ヨーロッパ、インド、アフリカの3地域でCDR特化型アクセラレータを展開。アフリカ部門は、スイス開発協力庁(SDC)およびスイス国立科学財団(SNSF)の支援のもと、SOR4D(Solution-oriented Research for Development)プログラムとして実施されている。
パートナー機関には、ETH Zurich(スイス連邦工科大学)、Max Planck Net Zero Lab、Strathmore University(ケニア)などの研究・教育機関が名を連ねており、研究と実装の連携強化が特徴である。
参照:https://www.linkedin.com/posts/remove-accelerator_carbonremovalafrica-cdr-activity-7317524535396704258-tqjL