岩石風化(Enhanced Rock Weathering、ERW)による永久的な二酸化炭素除去(CDR)技術のリーディングカンパニーであるLithos Carbon(リソスカーボン)は、登録認証された5,160トンのCDRカーボンクレジット発行を達成した。これは、ERWを排出削減経路とする単一のクレジット発行量として、史上最大規模となる。
同社によると、今回の発行量は従来のERWベースのカーボンクレジット発行を約7倍上回る規模であり、大規模かつ科学的厳密性を維持したCDRソリューション提供能力を実証した。この米国製のカーボンクレジットは、ノースカロライナ州、ウィスコンシン州、ペンシルベニア州、メリーランド州、ミシガン州の農家との提携を通じて生成されたもので、農地に国内産の栄養豊富な玄武岩の粉塵を散布することでERWプロセスを推進した。
リソスカーボンのメアリー・ヤップ最高経営責任者(CEO)は、「アメリカの農家と協力し、現地で調達した副産物である岩石を使用することで、大気中の炭素を除去するだけでなく、全国的に農家の利益が圧迫されている時期に、地方コミュニティ全体の農業経済と土壌の健全性を強化している」と述べた。
ERWプロセスに参加した農家は、土壌のpH管理改善、栄養利用可能性の向上、そして従来の土壌改良材への依存度低下といった複合的なメリットを享受している。これにより、農家は日々の作業における費用を節約しつつ、カーボンマネジメントの実践を通じて新たな収入源を確保できる。
このマイルストーンとなるCDR実現は、採石場運営、散布サービス、科学的モニタリングなどのサプライチェーン全体で数十の雇用を創出しており、同社は高品質なCDR需要の増大に応えるため、ERW事業のさらなる規模拡大を計画している。発行されたクレジットは、現場での散布から千年単位の貯留段階までを追跡する厳格な科学的測定およびモニタリングプロトコルにより検証されており、排出権が真正で、追加的かつ永続的なCDRであることを保証している。

