韓国取引所が米Xpansivと提携 「KRXカーボンクレジット市場」創設へ

村山 大翔

村山 大翔

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韓国取引所(KRX)は9月16日、米環境商品取引インフラ大手のエクスパンシブ(Xpansiv)と戦略的提携に関する覚書(MOU)を締結した。両者は韓国国内に新設される「KRXカーボンクレジット市場」の立ち上げを共同で支援し、国際的なカーボンクレジットの流通拡大を図る。

新市場は、企業のボランタリーカーボンクレジット活用、パリ協定第6条に基づく国際取引、さらに国際航空分野の排出オフセット制度(CORSIA)などを対象に、カーボンクレジットの取引基盤を提供する。

KRXは、自らが運営する市場をXpansivの現物取引所「CBL」と接続する計画だ。CBLは世界最大のカーボンクレジット取引プラットフォームであり、数百の参加者を抱える。この連携により、KRX市場は立ち上げ当初から海外投資家の注文を呼び込み、価格発見の透明性と流動性を確保できる見通しだ。

KRXのチョン・ウンボ取引所理事長は「韓国はすでに世界有数の排出量取引市場を運営しており、今後はアジアを代表する炭素市場を育成する。Xpansivとの協力で幅広いシナジーを期待している」と述べた。

Xpansivのジョン・メルビー最高経営責任者(CEO)も「グローバル市場の接続を進めるなかで、韓国取引所との連携を歓迎する。KRX市場はエネルギー転換に向けた重要な仕組みを提供するだろう」と強調した。

KRXは2015年から韓国排出量取引制度(K-ETS)を運営しており、温室効果ガスの排出権取引を国内で一元化している。今回の新市場は、同制度に加えてボランタリー市場や国際市場の需要も取り込む狙いがある。

韓国政府は2030年までに温室効果ガス排出量を2018年比で40%削減する目標を掲げており、カーボンクレジット取引市場の拡大は企業の排出削減義務達成に直結する。

参考:https://xpansiv.com/xpansiv-and-krx-to-collaborate-on-korean-carbon-credit-market-launch/