JPモルガン傘下のキャンベル・グローバル、森林・気候ファンドで15億ドル調達完了 総額は23億ドルに

村山 大翔

村山 大翔

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JPモルガン・アセット・マネジメントは4月8日、子会社キャンベル・グローバルが運用する「森林・気候ソリューション・ファンドII」が目標の15億ドルを調達し、ファンドの組成を完了したと発表した。追加の個別運用契約も含めた総調達額は23億ドルに達した。

同ファンドは、持続可能な森林管理を通じて収益性と環境価値の両立を目指す戦略で、2021年の買収以降、キャンベル・グローバルが初めて立ち上げた旗艦ファンドとなる。対象地域は主にOECD加盟国で、木材生産と炭素隔離を組み合わせたブレンド型アプローチを採用し、自然由来の炭素除去、生物多様性の保全、水資源の保護などにも貢献する。

キャンベル・グローバルのCEOであるジョン・ギルランド氏は、「責任ある森林管理を通じて、気候変動への解決策と経済的価値を同時に提供できることを誇りに思う」と述べた。投資家には、米国適格投資家のほか、欧州の年金基金、保険会社、国際金融機関などが名を連ねる。

現在、ファンドは米国太平洋岸北西部および南部にまたがる約8万8,000ヘクタールの森林地を保有しており、いずれも持続可能な森林管理イニシアチブ(SFI)の基準に則って運営されている。炭素回収と木材生産の両立を図りつつ、生態系の保全と地域需要にも対応する方針だ。

JPモルガン・アセット・マネジメントのジェド・ラスコウィッツ氏は、「本戦略は投資家にとって分散投資とインフレ対策の双方を提供しうる希少な機会」と語り、森林資産の長期的価値に改めて期待を示した。

キャンベル・グローバルは現在、世界101億ドルの資産と140万エーカーの土地を管理しており、今後も気候・森林分野での投資機会を拡大していく構えだ。

参照:https://www.prnewswire.com/news-releases/jp-morgan-asset-managements-campbell-global-announces-close-of-1-5-billion-forest–climate-solutions-fund-ii-302423395.html