ボリビア拠点のExomad Greenは、米Microsoftとバイオ炭を活用したCO2除去契約を締結し、10年間で124万トンのGHG(温室効果ガス)を除去する世界最大規模の取引を実現した。CarbonfutureのdMRV(デジタル測定・報告・検証)システムを活用し、高水準な透明性と追跡性を確保する。
この契約は、バイオ炭を用いた炭素除去として過去最大量となり、他の技術も含めたCDR契約としても業界屈指の規模である。これにより、Exomad GreenとMicrosoft間の長期的な連携がさらに強化される。
Carbonfutureが提供する「MRV+」システムを通じ、カーボンクレジットの全ライフサイクルがデジタルで追跡され、第三者機関による認証が行われる。これはPuro.earthの基準に基づいたもので、信頼性の高いクレジットの発行を支える。
Exomad Greenの技術は、焼却予定だった森林残渣をバイオ炭へと変換し、農地へ供給することでCO2を長期固定化する。これにより、農業生産性の向上、大気汚染の軽減、都市火災のリスク低減など、地域社会への波及効果が期待される。
契約には複数の新機能も盛り込まれており、その一つが「森林監視センター」の設置である。これにより、バイオマス供給源の透明性と持続可能性が担保される。また、バイオ炭の品質は定期的な国際基準に基づく検査により保証される。
この契約により、Exomad Greenは2027年までに年間100万トンのCO2除去を目指す目標に向け、さらなる生産拡大を進める。既存のコンセプシオン、リベラルタの施設に加え、第3の新工場建設も始まっており、今後さらに2拠点の設立が予定されている。
Microsoftの気候戦略においても、信頼性とインパクトの高いCDR導入は重要な位置を占めており、今回の契約はその象徴とも言える。