「エンブリッジとオキシデンタル子会社が合弁」 ルイジアナ州でCO2貯留ハブとパイプライン建設

村山 大翔

村山 大翔

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米石油大手オキシデンタルの子会社ワンポイントファイブ(1PointFive)とカナダのエネルギー輸送会社エンブリッジ(Enbridge)は9月10日、ルイジアナ州で二酸化炭素(CO2)を地下に圧入・貯留する「ペリカン・セクエストレーション・ハブ」を共同開発すると発表した。出資比率は50対50で、1PointFiveが貯留施設を開発し、エンブリッジが顧客拠点から施設までのパイプラインを建設・運営する。

このプロジェクトは、同州リビングストン郡に建設され、CFインダストリーズ、JERA(東京電力・中部電力の合弁)、三井物産がアセンション郡で計画する低炭素アンモニア製造施設から、年間約230万トンのCO2を25年間にわたり受け入れる長期契約を基盤としている。

1PointFiveのジェフ・アルバレス社長は「エンブリッジの輸送分野の強みと当社のCO2管理技術を組み合わせ、ルイジアナ州産業の強化と経済発展に貢献したい」と述べた。

ペリカン・ハブは最終的に年間最大2,000万トンのCO2を処理可能とされ、オキシデンタルが半世紀にわたり積み重ねてきた地下貯留技術を活用する。ハブ建設は、製造業やエネルギー産業に不可欠な投資を呼び込み、同州の輸出競争力を高める狙いがある。

1PointFiveは、カーボンキャプチャー・利用・貯留(CCUS)事業を展開し、直接空気回収(DAC)や合成燃料「AIR TO FUELS™」の技術開発を進めている。今回の合弁は、米国の排出削減目標達成と炭素市場拡大に直結するインフラ整備と位置づけられる。

もっとも、声明には将来見通しに関する記述が含まれており、規制承認、資金調達、市場環境の変動などによって実現性に影響が及ぶ可能性も指摘されている。

参考:https://www.1pointfive.com/news/1pointfive-and-enbridge-form-joint-venture-for-pelican-sequestration-hub