台湾・日本・韓国・香港で実証開始 ブロックチェーン型カーボン市場の実装へ
米データバリュートAI(Datavault AI)は10月28日、環境テクノロジー企業ネイチャーズ・ミラクル・ホールディング(Nature’s Miracle Holding Inc.)と、ブロックチェーン上でのトークン化カーボンクレジット技術に関する包括的ライセンス契約を締結したと発表した。契約により、ネイチャーズ・ミラクルはデータバリュートAIの特許群を活用し、世界各地でカーボンクレジットをデジタル化・取引できるプラットフォームを展開する権利を得た。
ライセンス料としてデータバリュートAIには200万ドル(約3億円)が支払われ、さらにライセンス技術による売上高の35%をロイヤルティとして受け取る。契約対象には、米国および国際出願中の特許が含まれる。
データバリュートAIの最高経営責任者(CEO)ネイサン・ブラッドリー氏は、「サステナビリティや炭素市場といった高成長分野で、当社の特許ポートフォリオを商業化する重要な一歩だ」と述べ、「ネイチャーズ・ミラクルとの提携により、検証済みカーボン市場にブロックチェーン導入を加速させる」と強調した。
一方、ネイチャーズ・ミラクルの最高経営責任者ジェームズ・リー氏は、「Datavault AIの特許技術を活用することで、カーボンオフセットの検証と収益化を安全かつ効率的に進められる」と語り、「台北と東京に新設した拠点を中心に、トークン化コミュニティや政府支援と連携してアジアでの展開を加速する」と述べた。
両社はすでに台湾、日本、韓国、香港で実証プロジェクトを進めており、データバリュートAIの「インフォメーション・データ・エクスチェンジ(Information Data Exchange)」を通じて、環境関連データを独自トークンとして取引する仕組みを構築中である。ネイチャーズ・ミラクルはこの技術を自社の農業・環境管理プラットフォームに統合し、サプライチェーン全体での炭素排出追跡と報告の透明性を高める計画だ。
データバリュートAIは今回のライセンスを、データ収益化フレームワーク「ADIO」および身元認証技術「VerifyU」と連携させ、再生可能エネルギーや環境技術分野の新たな収益モデル構築を目指す。両社は今後、国際的な炭素市場の標準化を視野に「国際エレメンツ取引所(International Elements Exchange)」の立ち上げも検討している。
この提携は、ブロックチェーンによる炭素取引の信頼性向上と、実世界資産(RWA)トークン化の商業化において、アジア太平洋地域を中心に重要な転換点となる可能性がある。
 
							 
			 
		 
				 
				 
				 
				 
				 
				 
				