クリーン・クッキング・アライアンス、カーボン事業支援へ「クッキング・エネルギー・データ・ハブ」公開 

村山 大翔

村山 大翔

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クリーン・クッキング・アライアンス(CCA)は28日、家庭用エネルギー利用とクリーン調理に関する国際的なデータを集約した「クッキング・エネルギー・データ・ハブ」をオンラインで公開した。Osprey財団の資金提供とストックホルム環境研究所(SEI)の支援のもと開発されたこのハブは、www.cookingdata.info で誰でも無償で利用できる。

この取り組みは、クリーン調理の普及を目的とするカーボンクレジット事業における最大の障壁の一つ「必要データの分散」を克服するために企画された。プロジェクト設計に必要な詳細な燃料消費量、非再生バイオマスの割合、ストーブ別の効率データなどが一元的に提供される。

CCAの気候インパクト・スタンダード部門の上級ディレクター、エリサ・ダービー氏は「カーボンファイナンスは世界の家庭にクリーン調理を届けるコストを下げられる可能性を秘めているが、プロジェクト設計には膨大で複雑な調査が必要」と指摘。その上で「新たなデータハブは、現実に即した分解データをサブナショナルレベルで提供し、特に現在開発中のCLEAR手法のウェブ版と併用することで設計の効率化が期待できる」と述べた。

このプラットフォームには、プロジェクトのベンチマークやフィージビリティスタディに活用できるほか、研究者や政策担当者、検証機関などが使用できるよう「データ辞書」や検索機能も備える。SEIのロブ・ベイリス上級研究員は「従来アクセスが困難だったデータが公開され、プロジェクトの透明性と一貫性が大幅に向上する」とその意義を強調した。

ハブでは今後もユーザーからのデータ提供を受け付け、データの充実と精緻化を図っていく方針だ。

参考:https://cleancooking.org/news/cca-launches-cooking-energy-data-hub-to-support-new-carbon-projects/