中小企業向けに高品質なカーボンクレジットの調達・販売を手がける米スタートアップCNaughtは5月6日、シードラウンドで約450万ドル(約7億円)を調達したと発表した。主な出資者はBow Capitalで、FJ Labs、Karman Ventures、Silence VCなども参加している。
CNaughtは、第三者評価を活用しながら、信頼性の高い炭素クレジットを一括で購入・厳選し、顧客に定額で提供するビジネスモデルを展開。既にパランティア、Asana、シアトルチョコレートなどを顧客に抱え、スタートアップから上場企業まで幅広い層の信頼を獲得している。
今回の資金調達は、同社が発表した新サービス「CNaught Guarantee」の展開加速にも活用される。これは、万一クレジットの一部がレジストリから無効化・取消処分を受けた場合、同等の高品質なクレジットで無償代替する仕組みで、カーボン投資のリスクを最小限に抑える画期的な保証制度とされる。
カーボンクレジット市場は、2024年の約80兆円規模から、2034年には約1,070兆円に達すると見込まれている。一方で、米国では従業員20人以上の企業が100万社を超えるにも関わらず、カーボンクレジットを利用する企業は約7,000〜8,000社にとどまる。この市場参加ギャップを埋めることが、CNaughtの戦略的ターゲットである。
創業者マーク・チェン氏は「多くの中小企業が品質や透明性への懸念から市場参入をためらっている」と語り、同社の使命は「炭素市場の複雑さを取り除き、脱炭素行動を加速させること」にあると強調している。