独CEEZERが自然ベースのCO2除去に特化の第4期アクセラレーターの公募開始

村山 大翔

村山 大翔

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ドイツのデジタル炭素市場運営企業シーザー(CEEZER)は1月8日、ボランタリーカーボンクレジット市場(VCM)のプロジェクト開発者を支援する「シーザー・カーボン・コアリション(CEEZER Carbon Coalition)」アクセラレーター・プログラムの第4期募集を開始した。

過去3回にわたり実施された工学的炭素除去(CDR)への重点投資から方針を転換し、今回は自然ベースの解決策(NbS)によるCDRに特化して支援を行う。

本プログラムは、VCMにおける初期段階の開発者が直面する、測定・報告・検証(MRV)の体制構築、価格戦略、購入者ニーズの把握といった市場参入の障壁を解消することを目的としている。今回の第4期では、森林の新規植林・再植林(ARR)、ブルーカーボン、土壌炭素貯留などの分野において、高い環境・社会的基準を備えた成熟度の高いプロジェクト開発者を対象とする。

支援の要件として、ICROAが承認する主要なレジストリでの認証手続きが進んでいることが求められる。具体的には、ベラ(Verra)、ゴールドスタンダード(Gold Standard)、プラン・ビボ(Plan Vivo)、アイソメトリック(Isometric)、エキタブル・アース(Equitable Earth)、アメリカン・カーボン・レジストリ(ACR)、クライメートアクションリザーブ(Climate Action Reserve)での登録を進行させていることが条件となる。

シーザーは、ネットゼロ経済の実現に向けて「工学的CDRだけでなく、自然ベースの解決策をスケールアップさせることが不可欠だ」との声明を発表した。同社は、有望なスタートアップを市場に導入することで、VCM全体の透明性と供給能力の向上を目指す。

プログラムを完了し、同社独自の品質基準を満たしたプロジェクトは、デジタルプラットフォーム「CEEZER」上でのクレジット販売が可能になる。採択された案件はリストアップされ、事業が商業的な成熟に達し次第、実際のクレジット発行と販売が開始される。

今回のシーザーによる方針転換は、VCMにおける高品質な自然ベース解決策(NbS)への需要再燃と、その信頼性担保への強い意志を象徴している。

過去数年、NbSは「追加性」や「永続性」の懸念から厳しい批判にさらされてきたが、シーザーはICROA承認の厳格なレジストリ限定と、初期段階からのMRV支援を組み合わせることで、この課題を克服しようとしている。

日本企業にとっても、J-クレジット制度を通じたARRやブルーカーボンへの関心は非常に高い。

しかし、グローバルなボランタリー市場で通用する「高価値クレジット」として販売するためには、本プログラムが示すような国際基準への準拠と、購入者(投資家)が求める透明性の確保が不可欠となるだろう。

参考:https://www.ceezer.earth/carbon-coalition