バイオ炭アスファルトで脱炭素と収益化を両立、Puro.earthが認証
米Verde Resources社は10日、アスファルトにバイオ炭を組み込むことで、世界初となるカーボンクレジットの発行に成功したと発表した。これはアラバマ州の全米アスファルト技術センター(NCAT)での実証を経て実現したもので、カーボンリムーバルクレジットとしてPuro.earthから正式に認証された。
実証プロジェクトでは、Verde社がOregon Biochar SolutionsおよびNCATと協力し、バイオ炭5トンを含む冷間混合アスファルト110トンを2024年12月に施工。バイオ炭は再生可能資源由来の炭素を安定的に固定できるとされており、舗装材としての活用によって炭素を長期的に地中に封じ込めることが可能となる。これにより、8トン分のカーボンリムーバルクレジットが創出され、既に大手金融機関に販売された。
Verde社のバイオアスファルトは、加熱や溶剤を使用せず冬季でも施工可能で、施工時のGHG排出削減に加えて作業者の安全性向上や臭気対策にも効果がある。今後は年5万トン以上のCO2除去を目標に、建設業界へのライセンス展開を進める方針だ。
今回の取り組みは、温室効果ガスの37%を占める建設部門において、カーボンニュートラル化と経済性を両立できる新たなソリューションとして注目されている。Puro.earthのバイオ炭クレジット基準にも適合しており、クレジット発行における信頼性と持続可能性が担保されている点も大きな特徴である。