英Carbon Clean、高効率CO2回収装置の実証試験に成功 商用化へ前進

村山 大翔

村山 大翔

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英Carbon Cleanは、新型の炭素回収技術「CycloneCC C1」が英国での実証試験で合格基準を超えたと発表した。これは商用化への準備が整ったことを意味する。

本実証試験は、エンジニアリング企業Thomas Broadbent and Sonsのハダースフィールド拠点にて実施された。

コンパクト設計で商用展開を目指すCO2回収技術

CycloneCC C1は、最大285トン/日のCO2を回収できるモジュール式装置で、回転充填床(RPB)と専用の「APBS-CDRMax溶媒」を組み合わせることで、従来の大型設備に代わる高効率な回収を実現する。

機器の高さは70%削減され、鋼材の使用量も35%減少。設備の設置面積も最大50%縮小されており、大型部品のサイズは従来比で10分の1に抑えられている。

大規模展開を視野に、量産とコスト削減を図る

同社によれば、CycloneCC C1は年次で10万tのCO2回収が可能であるという。

Carbon CleanのCEO、アニルッダ・シャルマ氏は「この成功は英国の製造業の底力を示すとともに、グローバル展開の準備が整ったことを証明するもの」とコメントした。

試験パートナーであるThomas Broadbent and Sons社の設計・製造ノウハウにより、信頼性の高い装置開発が可能になったとして、英国の製造業の競争力強化にもつながる成果と評価されている。

参考:https://www.carbonclean.com/en/press-releases/successful-factory-test