ルワンダのクックストーブ事業がCORSIAに適合 Verra認証で120万トンのカーボンクレジット発行へ

村山 大翔

村山 大翔

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カーボンクレジット投資を手がけるカナダのベース・カーボン(Base Carbon Inc.)は9月30日、ICAOの国際航空のためのカーボンオフセット・削減制度、CORSIAに適合する新たな手法「VM0050」が、同社のルワンダ調理かまど事業に適用されたと発表した。国際的な認証機関のVerraが承認したもので、これにより同事業から発行されるカーボンクレジットはCORSIAおよびパリ協定第6条市場での利用が可能となる。

同社は、ルワンダでのプロジェクト開発を担うデルアグア・グループ(DelAgua Group)と共に、既存クレジットの再計算を含む移行作業を完了した。再定量化後の保有量は約100万〜120万トンのCORSIA準拠クレジットとなる見通しで、今後は国際航空会社を中心に高値での取引が期待される。

ベース・カーボンのマイケル・コスタ最高経営責任者(CEO)は「『VM0050』への移行は戦略の実証であり、航空会社が直面する急速に高まる義務需要に対応できる体制を整えた」と述べ、「在庫の価値と収益化の可能性が大幅に高まった」と強調した。

CORSIAは2019年排出量の85%を基準に、それを超える分の排出増を航空会社がクレジットで相殺する仕組みだ。独立調査では、2024〜2026年のフェーズ1におけるクレジット価格は1トン当たり26〜63ドル(約3,900〜9,400円)に達すると見込まれており、需給逼迫が鮮明となっている。

同社は近く、ベラが策定中の「対応調整(Corresponding Adjustment)」保険制度が整えば、クレジットをCORSIAだけでなく第6条の国際取引市場にも供給可能になると見ている。今後は航空業界向け需要の取り込みを通じ、収益拡大を図る方針だ。

参考:https://basecarbon.com/investors/press-releases/base-carbon-to-receive-carbon-credits-under-CORSIA-approved-VM0050-methodology