オーストラリア政府は11月17日、同国の主導的なカーボンクレジット制度であるオーストラリアン・カーボン・クレジット・ユニット(ACCU)制度のプロジェクトおよび契約登録簿の改善案について、意見公募(コンサルテーション)を開始した。これは、2026年に予定されている登録簿の刷新に向けた取り組みで、データ構造の変更や情報提示方法の更新を通じ、カーボンクレジット市場の透明性と利便性を高めることが目的である。
豪州クリーンエネルギー規制当局(Clean Energy Regulator=CER)が主導するこの協議は、ACCU制度の頻繁なデータ利用者を主な対象とし、データのアクセスしやすさと有用性を確保することを目指している。具体的には、登録簿を「データ・サービス」へ移行させ、基礎となるデータ構造そのものを変革する計画だ。
この改善案に対する市場からのフィードバックは、ACCU制度の透明性強化に役立てられるほか、同当局が今後公開を予定している生物多様性市場登録簿(Biodiversity Market Register)や、原産地保証登録簿(Guarantee of Origin Register)など、他の環境市場登録簿の開発にも反映される。
豪政府は、今回の登録簿改善を通じて、国内外の市場参加者にとってACCUクレジットの信頼性とトレーサビリティを一段と向上させたい考えだ。
参考:https://cer.gov.au/news-and-media/public-consultations/improvements-to-australian-carbon-credit-unit-scheme-project-and-contract-register
