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米AIRCO、CO2から合成燃料を製造する世界初のコンテナ型モバイルシステム「MAD」を開発 米空軍系AFWERX STRATFIから資金支援

2026.03.13 読了 約4分
米AIRCO、CO2から合成燃料を製造する世界初のコンテナ型モバイルシステム「MAD」を開発 米空軍系AFWERX STRATFIから資金支援
出典:<a href="https://www.aircompany.com/press/airco-s-mad-fuel-system-scales-on-site-fuel-production" target="_blank">AIRCO</a>

エアコ(AIRCO)は2026年3月10日、CO2と水素(H2)から持続可能な航空燃料や軽油相当燃料を任意の場所でオンデマンド製造できる、世界初のコンテナ型移動式プラットフォーム「MADフュエルシステム」(MAD = Mobile, Adaptable, Dynamic)の開発を発表した。

同システムは、米空軍のイノベーション部門であるAFWERXのSTRATFI(Strategic Funding Increase)プログラムからの資金支援を受けて開発が進められている。

累計約7,000万ドルの政府資金を獲得

エアコは米国防総省傘下のAFPET(空軍石油局)、AFRL(空軍研究所)、DLA(国防兵站局)と協力し、直近の1,500万ドル(約24億円)を含め累計約7,000万ドル(約111億円)の資金を確保している。MADフュエルシステムは米国防総省が指定する6つの重要技術の一つに位置づけられており、今回のSTRATFI資金は中小企業イノベーション研究(SBIR)フェーズIIからフルスケール実装への橋渡しを目的としている。

さらに、エアコは国防イノベーションユニット(DIU)からプロジェクトSynCEを通じて6,700万ドル(約107億円)の契約も獲得済みであり、争奪戦域における合成燃料の製造技術開発を推進している。NASAやAFWERXとの協業実績も含め、米政府との連携は一貫して拡大基調にある。

CO2と水素から即応型ドロップイン燃料を製造

MADフュエルシステムは、ISOコンテナに格納された自己完結型ユニットであり、回収したCO2と水素をジェット燃料(Jet A-1)およびディーゼル相当燃料(DS-1)に変換する。エアコ独自のAIRMADE™プロセスを統合し、太陽光、風力、原子力、系統電力、発電機などエネルギー源を問わず稼働可能な設計を特徴とする。この「フィードストック・アグノスティック(原料非依存)」な柔軟性により、従来の燃料供給インフラが届かない遠隔地や災害対応現場、前線基地などでの燃料自給を実現する。

エアコのグレゴリー・コンスタンティン(Gregory Constantine)CEOは、「エネルギー安全保障が最重要課題となる時代にあって、我々は燃料の製造・兵站を脆弱性から決定的な非対称的優位へと転換する」と述べた。将来的には、複数のMADシステムがAI連携で自律的に最適化された「フュエル・スウォーム(燃料群)」として機能し、無人機群への分散型燃料供給を可能にする構想である。

民生・防衛のデュアルユース展開

MADフュエルシステムは軍事利用にとどまらず、データセンター、重要インフラ、遠隔コミュニティなど民生分野への応用も見据えている。米エネルギー省との協力により、再生可能エネルギーおよび原子力技術とのインターフェース評価も進行中であり、分散型エネルギー・ウェブの基盤技術として位置づけられている。

エアコはジェットブルー(JetBlue)やヴァージン・アトランティック(Virgin Atlantic)など航空会社との商業パートナーシップも有しており、タイム誌「ベスト・インベンション」やXPRIZEカーボンリムーバル賞など複数の受賞歴を持つ。

エアコのMADシステムは炭素回収・利用(CCU)を燃料製造に直結させる点で、日本が推進する持続可能な航空燃料(SAF)のサプライチェーン構築と深く関連する。

また、GX-ETS第2フェーズにおけるカーボンプライシングの本格化に伴い、炭素回収・利用・貯留(CCUS)技術への投資判断においても、こうした米国防総省主導のデュアルユース技術の成熟度が一つの指標となり得る。

参考:https://www.aircompany.com/press/airco-s-mad-fuel-system-scales-on-site-fuel-production

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カーボンクレジット.jp 編集部
カーボンクレジット.jp編集部|2023年末に当時日本初かつ唯一のカーボンクレジット専門情報メディアを立ち上げ。高度な専門性とわかりやすさを追求した翻訳力。