米環境保護庁、米ExxonMobilのCO2貯留を許可 テキサスでCO2貯留計画加速

村山 大翔

村山 大翔

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米環境保護庁(EPA)は7月1日、テキサス州ファネット近郊でエクソンモービル・ロー・カーボン・ソリューションズ(ExxonMobil Low Carbon Solutions Onshore Storage LLC)が計画する大規模炭素回収・貯留(CCS)プロジェクトに関連し、地下貯留井(UICクラスVI井戸)の許可を発行する意向を示した。これによりエクソンモービルは、湾岸地域でのCO2地中隔離拡大に向けた具体的なステップを踏む。

今回許可意向が示されたのは、テキサス州ジェファーソン郡に位置する「ローズCCS No.01、No.02、No.03」の3井戸である。これらはCO2を深部地層へ注入し、長期的に貯留する目的で設計されている。

EPAリージョン6(テキサス州管轄)によると、これらの井戸は安全飲料水法および連邦UIC規制に基づく厳格な監視・報告義務を負い、定期的な環境インテグリティ報告が求められる。これにより地下水資源の保護が図られるとしている。

エクソンモービルは米湾岸地域でCCS事業を拡大する計画を進めており、今回の許可取得が進めば、大気中排出CO2の削減に向けた除去量の積み上げが可能となる。同社はこのプロジェクトが「米国全体の排出削減目標達成に不可欠である」と強調している。

注入井の正確な位置情報は以下の通りである。

  • ローズCCS No.01(北緯29.999678度、西経-94.285108度)
  • ローズCCS No.02(北緯29.991017度、西経-94.298036度)
  • ローズCCS No.03(北緯30.011778度、西経-94.297858度)

EPAは今回のドラフト許可案について、オンライン公聴会を開催し、地域住民やステークホルダーからの意見を直接受け付ける予定だ。発言希望者は事前登録が推奨されているが、当日参加も可能である。

今回の動きは、米国のCCS市場形成において重要な前進となる可能性がある。エクソンモービルが湾岸地域で進める「ベイユー・ベンド計画」など他のCO2地中貯留案件と合わせ、今後のパイプライン計画やクレジット市場形成への波及効果が注目される。

EPAによる最終決定は、8月以降に発表される見通しだ。

参考:https://www.epa.gov/tx/uic-class-vi-permit-intent-issue-exxonmobil-low-carbon-solutions-onshore-storage-llc