6月27日、欧州エネルギー取引所(EEX)と台湾カーボンソリューション取引所(TCX)はドイツ・ライプツィヒのEEX本部で、台湾排出量取引制度(TW ETS)の構築支援に関する覚書(MoU)を締結した。台湾は2026年末に排出量取引制度(ETS)のパイロットフェーズを開始する計画であり、EEXの欧州排出量取引制度(EU ETS)運営経験を活用し、透明性と信頼性の高い市場形成を目指す。
TCXのJoshua Tien CEOは「EU ETSは世界有数のカーボンプライシング制度であり、EEXはその主要インフラパートナーだ」と述べ、台湾環境部(MOENV)のロードマップに沿って制度設計を進める中で、EEXの市場運営のベストプラクティスを取り入れる方針を示した。
EEXのPeter Reitz CEOは「排出量取引制度は脱炭素化とエネルギー転換を推進する上で不可欠だ」と述べ、「新興市場への専門知識提供は我々の使命であり、世界各地でカーボンプライシングの発展に貢献していく」と強調した。
EU ETSは既にスイスの制度とリンクしており、英国の制度との連携も検討されている。台湾の近隣国である日本や韓国も排出量取引制度を運用・検討中であり、今回のMoUは台湾市場と他地域の炭素市場の国際連携の可能性を切り開くものである。台湾は2050年までのネットゼロ目標を掲げており、TW ETSの運用開始と国際接続に向けた準備は今後の排出削減加速の鍵となる。