カーボンクレジットプロジェクトの訴訟終結 Carbon Streamingが和解成立を発表

村山 大翔

村山 大翔

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カナダのカーボン・ストリーミング(Carbon Streaming Corporation)は7月24日、インドネシアとメキシコで関与していた2つの炭素除去(CDR)プロジェクトについて、関係者との間で和解が成立したと発表した。インドネシアの「リンバラヤ」案件では約9,200万円と自社株の返還を受け、メキシコの「マルビボ」案件では将来的な再参入の権利を確保した。

トロントを拠点とするカーボン・ストリーミングは、インドネシアの「リンバラヤ生物多様性保護プロジェクト」に関し、運営企業のインフィニット・アース(Infinite Earth, Inc.)などとの契約違反を巡って法的対立にあった。

今回の和解により、インフィニット・アース側はカーボン・ストリーミングに65万ドル(約9,200万円)を支払い、かつて同社から受け取った約453万株の自社株を返還して消却する。また、過去に結んだ契約はすべて終了し、訴訟や仲裁などの法的手続きも打ち切られる。

同社は、元CEOのジャスティン・コクレーン氏を含む関係者に対する損害賠償請求は今後も継続するとしており、今年4月にはオンタリオ州高等裁判所に訴えを起こしている。

さらにメキシコ・バハカリフォルニア州の「マルビボ・ブルーカーボン保全プロジェクト」では、現地団体と企業がプロジェクトを正式に放棄し、法人の解散にも合意。これに対し、カーボン・ストリーミングは今後7年間、プロジェクトの権利が復活した際に優先的に関与できる権利を保持する。

同社CEOのマリン・カトゥーサ氏は「訴訟の長期化と不確実性を考慮し、今回の和解が最も合理的な判断だった」と説明している。今回の株式返還後、同社の発行済株式数は4,833万2,053株となる。

参考:https://www.carbonstreaming.com/news/carbon-streaming-announces-settlement-agreements-related-to-rimba-raya-and-marvivo-projects/