「ICROAが条件付き承認」 Probaのカーボンインセット制度を評価

村山 大翔

村山 大翔

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オランダのスタートアップ、プローバ(Proba)が開発した、農業分野を対象とするカーボンインセット制度が、国際炭素削減・オフセット連盟(ICROA)から条件付きで承認された。これは、プローバの制度が環境的な信頼性や透明性の面で、ICROAの厳しい基準をすでに満たしていることを意味する。

正式な「完全承認」には、プローバが開発したプロジェクトが10件以上登録され、発行するカーボンクレジットが累計10万トンを超える必要がある。プローバは、近くこの条件を満たす見込みだという。

プローバの制度では、農業などの現場で温室効果ガス(GHG)の排出を削減した実績を、第三者が検証し、クレジットとして発行する。企業はこのクレジットを「カーボンインセット」(自社のサプライチェーン内での削減)として活用でき、同時に他のパートナーから資金を集めて、さらなる削減活動を進めることができる。

ICROAのプログラム責任者フランコ・ダプリレ氏は「プローバは審査中に寄せられた意見を取り入れ、制度を改善してきた。ICROAラベルによって、その誠実な取り組みを示すことができる」と評価した。

プローバの最高執行責任者ルトガー・ビーンス氏は「この承認は、私たちの制度がすでに高い基準を満たしているという証明であり、信頼されるボランタリーカーボン市場(VCM)づくりに貢献できる」と述べた。

ICROAの承認は、制度の信頼性を保証する国際的な認証であり、新しいカーボンインセット制度が市場に定着するための重要なステップとなる。プローバの今後の進展に注目が集まる。

参考:https://icroa.org/proba-achieves-icroa-conditional-endorsement/