「150百万トンのCO2削減に貢献」 Climate Impact Partnersがインパクトレポートを公表

村山 大翔

村山 大翔

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カーボンクレジット事業を展開するClimate Impact Partners(CIP)は12日、2025年版のインパクトレポート『Delivering Tonnes of Impact』を公表した。報告書によると、2025年だけで全世界で1億5,000万トンの温室効果ガス(GHG)を削減・除去した。これはオランダの年間排出量に相当する。

この成果は、60カ国以上で600件を超える気候プロジェクトによって達成された。たとえば、ガーナでの森林再生、バングラデシュでのクリーン調理器具の普及、英国での海草の再生などが含まれる。再生可能エネルギーの普及も進めており、2025年度には5.6百万MWh(約54万6,000世帯分)のクリーン電力を供給した。

同社はまた、自社の温室効果ガス排出削減にも取り組んでいる。Scope 1とScope 3の排出を42%削減し、電力由来の排出(Scope 2)は再生可能エネルギー100%で実質ゼロを達成した。出張による排出も1人あたり51.6%減らしている。

CEOのシェリ・ヒコック氏は「2025年は観測史上最も暑い年になる見通しだ。私たちは、炭素市場を拡大することで気候危機に立ち向かう」と述べ、「私たちの強みはプロジェクト開発者や企業、業界団体とのパートナーシップだ」と語った。

カーボンクレジット市場は世界的に注目されており、英国政府も国内企業向けにカーボンクレジット活用を促進する新制度を導入した。ロンドン気候行動週間では、英国・ケニア・シンガポールが「高品質カーボンクレジット推進連合」を発足し、需要拡大を目指している。

CIPは、市場の信頼性向上にも取り組んでおり、ICVCM(カーボンクレジット整合性評議会)やVCMI(自主的炭素市場イニシアティブ)などでリーダーシップを発揮している。

また、2025年には30年契約の炭素クレジット購入枠組みも導入し、企業の長期的な気候投資を後押しする。

ヒコック氏は「企業は自社の排出削減だけでなく、社会全体の気候ソリューションにも資金を投じるべきだ」と呼びかけた。

CIPは今後も、企業が安心して参加できるカーボンクレジット市場づくりを進める方針だ。

参考:https://www.climateimpact.com/news-insights/news/climate-impact-partners-enables-150-million-tonnes-of-coe-reduced-in-landmark-2025-impact-report/