「地中貯留で年7万トンのCO2回収」 BKV、東テキサスで新たなCCSプロジェクト着手

村山 大翔

村山 大翔

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米エネルギー企業のBKVコーポレーション(BKV Corporation)は7月21日、東テキサス州の天然ガス処理施設において、炭素回収・貯留(CCS)プロジェクトを始動すると発表した。稼働は2027年初めを予定しており、年間約70,000トンのCO2を排出ガスから直接回収し、敷地内の地下に永久的に貯留する。

この施設では、CO2を回収した後、BKVが自社で圧縮し、同じ敷地内にある専用の「クラスII」井戸に注入して貯留する。CO2を他所へ運ぶための高圧パイプラインが不要になるため、建設コストや工程が大幅に軽減されるのが特徴だ。

今回のプロジェクトは、BKVと米大手ミッドストリーム企業との提携の一環で、すでに南テキサスで進行中のCCS計画に続く第2弾となる。今後は、BKVとデンマークの投資会社コペンハーゲン・インフラストラクチャー・パートナーズ(CIP)が設立した共同事業体に移管される可能性もある。

BKVはすでにノーステキサスで「Barnett Zero」CCS施設を稼働させており、南テキサスと「Cotton Cove」プロジェクトも推進中。Cotton Coveはすでに最終投資決定(FID)を終え、2027年前半に初の貯留を目指す。

BKVのCEOであるクリス・カルニン氏は、「パートナーとの関係強化は、当社のCCS技術への信頼を示すもの」と述べ、「米国最大級のミッドストリーム企業との協力をさらに深めることができ嬉しい」と語った。

BKVは今後もCO2の回収・貯留に注力し、産業部門の脱炭素化を現実的かつ持続可能な手法で進めていく考えだ。

参考:https://www.bkv.com/news/bkv-corp-expands-strategic-partnership-with-leading-midstream-operator-to-advance-carbon-capture-and-sequestration-development