(画像出典:https://registry.riverse.io/projects/RIV-2024-PROJ-73?mechanism=REMOVAL)ケニアのクライメートテックTeraが、カーボンクレジットレジストリ「Riverse」により、アフリカ初の独立認証プロジェクト開発者として登録された。Teraはサトウキビ廃材からバイオ炭を生産し、土壌改良と炭素除去(CDR:Carbon Dioxide Removal)を同時に実現する革新的なモデルを構築している。要点まとめTeraはサトウキビ廃材からバイオチャーを製造し、土壌改良とCDRを両立欧州のRiverse認証により、アフリカ初の独立認証開発者にdMRVで透明性と信頼性を確保2030年までに100万tのCO2eを恒久隔離予定小規模農家支援と雇用創出を同時に推進バイオ炭による炭素隔離とは?Teraが注目される理由の一つに、サトウキビ廃材「バガス」から製造するバイオ炭の活用がある。バイオ炭とは、有機廃材を低酸素下で加熱処理して得られる炭素含有物で、土壌に施用することで土壌改良とCO2の恒久的な土壌隔離が可能になる。Teraはこの仕組みを活用し、気候変動緩和と農業生産性の向上を両立させている。同社の施設は、ケニアのキスムに立地しており、サトウキビの主要生産地帯に位置している。安定的な原料供給が確保されており、これが持続可能な運用の基盤となっている。Riverse認証の意味と信頼性Teraが取得したRiverseの認証は、欧州を拠点とするカーボンクレジット登録機関によるものであり、第三者機関による厳正な審査を経て発行されている。Riverseは「除去系(Removal)」のクレジットを中心に取り扱っており、プロジェクトID「RIV-2024-PROJ-73」として登録されたTeraの活動は、「バイオマスによる炭素除去および貯留(BiCRS:Biomass with Carbon Removal and Storage)」の手法に基づいている。このような国際的な認証は、アフリカのプロジェクトに対する信頼性を飛躍的に高める。Teraのような先駆的な事例は、地域全体のカーボンマーケットに対する信頼を強化し、投資家やクレジット購入者の関心を引き寄せる効果がある。dMRVと地域貢献Teraは独自のdMRVシステムを開発・導入しており、炭素隔離量をデジタル台帳に記録・可視化している。これによりデータの正確性と透明性を保証し、グリーンウォッシングへの対抗策としても注目される。さらに、Teraは単なる炭素削減に留まらず、小規模農家の支援や農地の再生、雇用創出など多面的な社会的インパクトも目指している。2030年までに、450,000トンのバイオ炭を生産し、900,000ヘクタールの農地を再生、1,000,000トンのCO2eを恒久隔離するという目標を掲げている。まとめアフリカで初めて独立認証を取得したTeraの事例を通じて、バイオチャーを活用したカーボンリムーバルの信頼性と可能性を紹介した。Riverse認証の取得により、Teraは国際的な信頼を得たのみならず、アフリカ地域におけるカーボン市場の信頼構築にも貢献している。今後の気候変動対策において、こうした地域発の革新的ソリューションが果たす役割はますます重要になると考えられる。参考:https://registry.riverse.io/projects/RIV-2024-PROJ-73?mechanism=REMOVAL