(画像出典:https://www.southwire.com/blogs/southwire-partners-with-algae-tree)2025年6月、米国の電線・ケーブル大手Southwire(サウスワイヤー)は、ジョージア州キャロルトンにある同社のThorn Customer Solutions Centerにて、炭素除去(CDR)機能を備えた藻類活用型の装置「Algae Tree」を初めて設置した。この装置は、Algae Tree LLC(アルゲツリー)とジョージア大学(UGA)工学部との共同開発によるもので、微細藻類を用いたCO2吸収と芸術的デザインを融合させた新たな取り組みである。設置されたAlgae Treeは、光合成を行う微細藻類「Arthrospira platensis」を内部に培養するフォトバイオリアクターであり、1基で成熟した樹木38本分に相当するCO2吸収能力を持つとされる。この装置は、CO2を吸収しながら成長する藻類の特性を活かし、都市空間における炭素除去の新たな手法として注目されている。このパイロットプロジェクトでは、UGA工学部の学生が装置の運用データを収集・分析し、将来的な大規模展開に向けた最適化を図る。サウスワイヤーの企業サステナビリティ担当副社長であるBo Quick氏は、「このプロジェクトは、教育支援と環境への影響削減という当社の取り組みに合致している」と述べている。また、アルゲツリーの創設者であるJeffery Whitmire氏は、「当社の樹木型彫刻は、大気中の二酸化炭素を積極的に除去しながら、公共との関わりを持ち、美しさを表現する方法である」と語っている。この取り組みは、2024年にUGAの学生がCapstone Design Showcaseでプロトタイプを発表したことに端を発しており、公共および大学コミュニティにおいて多くの関心を集めた。現在、装置の性能データを基に、将来的なAlgae Treeの大規模展開が検討されている。今後、都市部や公共空間での設置が進めば、炭素除去と美的価値を兼ね備えた新たな都市インフラとしての可能性が広がる。また、教育機関との連携により、持続可能な技術の普及と次世代の人材育成にも寄与することが期待される。参考:https://www.southwire.com/blogs/southwire-partners-with-algae-tree