米Prometheus Hyperscaleは5月9日、ワイオミング州において、1.2ギガワット級のハイパースケール・データセンター建設計画を発表した。同プロジェクトは、PureWest EnergyおよびFrontier Carbon Solutionsとの提携により、低炭素天然ガスと高品質なCDRクレジットを活用し、AI時代のインフラに求められる持続可能な電力供給を実現する。天然ガス+CDRでAIインフラのカーボンニュートラル化を実現このデータセンターは、バックアップ・バランシング・ベースロード電源すべてにおいてカーボンニュートラルを実現する構想。Wyoming最大の天然ガス生産者であるPureWestが、検証済みの低炭素・低水消費型天然ガスを供給し、Frontier Carbon SolutionsがトレーサブルなCDRクレジットを提供することで、排出量の完全相殺を可能とする。Frontierは、バイオ由来CO2を回収し、ワイオミング州南西部にある専用サイトへ恒久貯留。プロジェクトの第一フェーズだけで、年間50万トン以上のCDRが見込まれており、世界的にも前例の少ない規模となる。AI・クラウド時代の電力モデル 地域経済との共創も視野にPrometheus社の創業者でCEOのトレントン・ソーンノック氏は「地元資源と技術革新を融合することで、AI時代にふさわしい持続可能なデータセンターを実現する」と強調。エネルギー需要が高まるAI・クラウド分野の新たな電源モデルとして注目されている。一方、PureWest社のタイ・ハリソン社長も「我々のミッションは、革新的な技術で地域とともに脱炭素に貢献すること」と述べ、Verified低炭素天然ガスの重要性を強調。ワイオミング州を持続可能エネルギーとインフラ分野のリーダーに押し上げる原動力になるとの見方を示した。エネルギー転換とクレジット市場の融合加速へ今回のプロジェクトは、再生可能エネルギーに加えて「責任ある化石燃料活用」×「カーボンクレジット」という構図で、データセンター業界の脱炭素を加速させる好例といえる。エネルギー供給源の多様化と排出トラッキングの透明性確保が鍵となる中で、今後このモデルが他地域へ展開される可能性もある。参照:https://www.prometheushyperscale.com/news/prometheus-purewest-frontier-partnership