デンマークの海運会社NORDENは22日、Microsoftと共同で、低炭素バイオ燃料を活用した航海および「ブック&クレーム」方式により、海運サプライチェーンの温室効果ガス(GHG)排出削減に取り組むパイロットプロジェクトを開始した。今後3年間で約1万トンのCO2e削減が見込まれている。この取り組みでは、MicrosoftがScope3に分類される海運由来の排出を削減するため、NORDENが提供する廃棄物由来の認証済みバイオ燃料を用いた航海に関する排出削減分を、「ブック&クレーム」方式により取得する。これは、低炭素燃料の地理的制約を超えて、企業が排出削減効果を享受できる仕組みである。NORDENは、Smart Freight Centreが策定した枠組みに基づき、独立監査機関による二重監査を受けた上で、このプロジェクトの透明性と信頼性を確保している。使用されたバイオ燃料は、従来の化石燃料と比較して80〜90%のライフサイクル排出削減効果があるとされる。Microsoftの持続可能性部門リーダー、ジュリア・フィドラー氏は「この取り組みは、RSB(Round Table for Sustainable Biomass:持続可能なバイオマス円卓会議)との連携により、持続可能な海運燃料の信頼性あるトラッキング体制の整備を促進する」と述べた。また、NORDENのCOO、アン・イェンセン氏は「Microsoftのような志を共有する企業との協業を通じて、グローバルな低炭素燃料の普及と、持続可能な海運の実現を目指す」と語った。NORDENとMicrosoftは今後、RSBの認証制度の改良を目的としたパイロットプログラムにも参加し、海運業界全体における排出削減の透明性向上を図る。参考:https://norden.com/article/7123