浮体式生産貯蔵出荷設備(FPSO)での脱炭素化に向け、新たな海上ソリューションを開発 三菱重工業(MHI)は、オフショアインフラ分野の大手SBM Offshore(子会社Single Buoy Moorings Inc.)と提携し、ブラジル国営石油会社Petrobras(ペトロブラス)が計画するFPSO(浮体式生産貯蔵出荷設備)にCO2回収モジュールを搭載する技術検討を開始したと発表した。本スタディは、2023年に締結された両社のパートナーシップ契約に基づく最初のプロジェクトであり、今後の商業化に向けた技術的・経済的な実現性評価を進める。「Advanced KM CDR Process™」とFast4Ward®の融合でCO₂排出抑制へ提案されているソリューションは、MHIが関西電力と共同開発した。「Advanced KM CDR Process™」と、SBMの標準化FPSO船体設計プログラム「Fast4Ward®」を組み合わせたもの。FPSOに搭載されたガスタービンからのCO2を効率的に回収し、将来的なCCUSソリューションとして実装することを視野に入れている。MHIのCO2回収技術は、すでに世界18施設に納入実績があり、最新バージョンでは高効率・低劣化のKS-21™溶剤を採用。運転コストの削減と排出抑制の両立を実現しており、洋上設備への適用でも優れた経済性が期待されている。エネルギー供給側の脱炭素化を加速、MHIの「MISSION NET ZERO」にも貢献今回の取り組みは、MHIが掲げる2040年カーボンニュートラル達成目標「MISSION NET ZERO」の一環でもある。特に、海洋油田などの難削減分野における脱炭素化を進めることは、エネルギー供給側の転換を加速する重要な施策と位置付けられている。今後MHIは、FPSO市場を中心に、グローバルなCCUSバリューチェーンの構築を推進し、環境技術のソリューションプロバイダーとしての地位をさらに強化していく方針だ。参照:https://www.mhi.com/news/250415.html