森林再生による長期オフテイク、VCM史上最大級の単独購入案件にMicrosoftは2025年5月、Rubicon Carbonと1800万トン分のCDRカーボンクレジット購入に関する枠組み契約を締結した。これは自然由来(ARR)プロジェクトを対象としたもので、ボランタリーカーボンマーケット(VCM)における企業単独による最大級の購入契約のひとつとなる。契約は15〜20年にわたる長期オフテイクで構成されており、Rubicon Carbonが世界各地のARRプロジェクトを調達・評価・監視。Microsoftが求める科学的基準と品質要件に則った案件を選定する。プロジェクトには、資金調達が困難な地域の案件も含まれる。気候インパクトと投資リターンの両立を狙う長期的資金配分モデルRubicon Carbonは、元バンク・オブ・アメリカ幹部トム・モンタッグ氏が率い、TPGの「Rise Climate Fund」が出資するカーボンクレジット管理企業。今回の契約についてモンタッグ氏は「金融業界が気候危機に対応しながら投資リターンを追求できるモデルの実例だ」とコメントしている。Microsoftのエネルギー&CDRディレクターであるブライアン・マーズ氏は、「この契約は、科学・金融・ビジネスモデルの革新を結びつけることで、インフラ級投資を可能にする炭素除去需要の形成を示している」と述べた。RubiconとMicrosoftは共同でプロジェクト評価フレームワークを開発し、リモートセンシング技術を活用した品質保証体制を構築。Rubiconの社内科学チームが継続的にプロジェクトの進捗を監視し、透明性と信頼性の高いカーボンクレジット創出を担保する。AI時代のエネルギー負荷とCDR除去の需要が交差この契約は、AI開発によって急増するMicrosoftのエネルギー使用と、それに伴う気候負荷への対応策の一環でもある。MicrosoftはすでにCDRにおける世界有数の購入者としての地位を築いており、本件は同社のネットゼロ戦略をさらに加速させるものと位置付けられている。関連記事:Microsoft、カーボンクレジット爆買い戦略の狙いとは?TPGのジム・コールター氏は、「Rubiconは高品質な炭素除去を市場原理でスケールさせるために設立された。この契約はその道程における重要なマイルストーンだ」と述べた。参照:https://blog.rubiconcarbon.com/rubicon-carbon-microsoft-carbon-removal/