(画像出典:https://www.eneos.co.jp/newsrelease/20250520_01_01_1040009.pdf)環境省は2025年度、深海域における「ブルーカーボンクレジット」創出を目指した、海藻類のCCUS(炭素回収・利用・貯留)の調査研究を開始する。国立研究開発法人・海洋研究開発機構(JAMSTEC)、港湾空港技術研究所(PARI)、ENEOS株式会社と連携し、深海での藻類の挙動や環境への影響を総合的に評価する。本研究は、日本の2050年カーボンニュートラル目標の一環として実施される。海藻類やマングローブなどの海洋植物は、陸上植物よりも多くのCO2を吸収・貯蔵できるとされ、「ブルーカーボン」として注目されている。ENEOSは「Jブルークレジット」の認証取得や、産官学連携によるブルーカーボン創出の経験を活かし、同プロジェクトを主導。最大潜航深度6,500mの「しんかい6500」などを用いた船舶調査により、深海域に沈降した海藻の分解過程や炭素固定量を可視化・評価する。2023年度の沿岸植物によるCO2吸収量は34トンにとどまっており、政府は2035年までに年間100万トン、2040年までに200万トンの吸収をブルーカーボン技術により目指す。ENEOSはScope1・2のCO2排出量を2040年度までに2013年度比で73%削減、2050年度のカーボンニュートラル達成を掲げている。今後の展望として、深海への安定的な炭素貯留技術が確立されれば、海洋を活用したCO2削減策としての新たな道が開かれる可能性がある。参考:https://www.eneos.co.jp/newsrelease/20250520_01_01_1040009.pdf