英国のクライメートテック企業Ecologiは4月末、民間企業が信頼できるカーボンクレジットを見極めるための「業界最高水準のカーボンプロジェクト評価フレームワーク」を公表した。第三者機関と連携し、透明性・実効性・信頼性の高いプロジェクト選定を可能にする仕組みを構築した。背景には、VCMにおける質のばらつきや不信感の払拭がある。Ecologiは、企業がカーボンクレジット購入時に直面する「質の見極め難しさ」に対応するため、独自の評価フレームワークを開発した。本フレームは、プロジェクトの気候・自然・人 への影響を三本柱とし、それぞれにリスク調整を加えた独自スコアで評価する点が特徴である。これにより、プロジェクトの全体的なインパクトと持続可能性を総合的に数値化できる。同社はBeZero Carbon、Calyx Global、Renoster、Sylveraといった主要評価機関のデータに加え、Earth Bloxの衛星画像、INFORMリスク指標などの外部情報も統合。計90項目以上の基準で評価を行い、80点以上を獲得したプロジェクトのみを「支援対象」として登録する。さらにEcologiは、クレジットのライフサイクル短縮(発行から消却までの時間短縮)や、ICROA/ICVCM認証を重視するなど、クレジットの真正性と資金の現場還元性を追求。地球環境への実効的貢献と市場信頼の回復を両立する枠組みとして、今後他社にも波及する可能性が高い。VCMの信頼性向上が国際的課題となる中、日本企業にとっても、こうした評価基準に基づくプロジェクト選定の重要性は増している。Ecologiの試みは、クレジット購入の透明性強化とリスク低減を目指す企業にとって有益な判断材料となるだろう。参照:https://www.linkedin.com/posts/ecologihq_forourplanet-climateaction-climatesolutions-activity-7323700293840379905-Fc5m