カナダの直接空気回収(DAC)開発企業Deep Skyは16日、米カーボンクレジット運用大手Rubicon Carbonと2025〜33年の9年間にわたる炭素除去(CDR)クレジットのオフテイク契約を締結した。Rubiconの分散型ポートフォリオにDAC事業者が加わるのは初めてで、初号機「Deep Sky Alpha」からのカーボンクレジット納入を今夏に開始する。Deep Skyは契約期間中、永続貯留型の除去クレジットを段階的に供給する見通しで、Rubiconはリスク調整された「アクティブ・ポートフォリオ」に組み込み、顧客企業の脱炭素目標に合わせて配分する。Rubiconの顧客はDAC由来の高品質なカーボンクレジットに早期アクセスできるほか、Deep Skyの厳格な開発によって、リスクも低減される。Deep Skyは今年夏に稼働予定のAlpha(年3,000トン)を皮切りに、カナダ各地でプロジェクトを拡張する計画だ。これまでに1億3,000万ドル(約205億円)を調達し、再生可能電力や地下貯留に適した地質など同国の優位性を生かす。Rubicon Carbonの最高経営責任者トム・モンタッグ氏は「我々のクライアントにDeep Skyの革新的DACプロジェクトへの早期アクセスを提供できることを嬉しく思う」と述べた。Deep Skyのチャーリー・レンゾーニ炭素市場担当副社長は「Rubiconとの提携により、当社のDACポートフォリオを世界中の企業へ届け、より大きな気候インパクトを創出できる」と強調した。第一弾のクレジットは2025年に引き渡し、2033年まで毎年供給が続く見込み。今後はAlphaの運転開始と来春予定される次期商業施設の着工が注目ポイントとなる。参考:https://www.prnewswire.com/news-releases/deep-sky-announces-multi-year-offtake-agreement-with-rubicon-carbon-302481195.html