カナダで直接空気回収(DAC)技術を推進するDeep Sky社は6月19日、同社の炭素除去(CDR)施設「Deep Sky Alpha」におけるカーボンクレジットの発行・監視を、英国Isometric社に委託すると発表した。発行は2025年夏より開始される予定で、IsometricのMRV(測定・報告・検証)基盤「Certify」経由で実施される。Alpha施設は世界初のDAC横断型商業化拠点として、10種のDAC技術を実証中。発行されるカーボンクレジットは、1トンの大気中CO2を恒久的に除去したことを担保するもので、Isometricの「Direct Air Capture Protocol」および「Isometric Standard」に準拠して検証される。Isometricは2024年12月、国際カーボンクレジット市場の主要3機関(ICVCM、CORSIA、ICROA)から同時承認を取得。これにより、科学的透明性に基づくカーボンクレジット追跡が認められており、Deep Skyとの提携を通じて業界水準を上回る監査体制が構築される。Deep Skyはカナダ国内で4件のCDRプロジェクトを追加開発中で、Alphaで実証された技術ポートフォリオを組み合わせた「運用中ポートフォリオ型」モデルを展開予定。安定した規制環境と低炭素電力網、地層貯留資源を活用し、信頼性とスケーラビリティを両立させる戦略だ。Deep Skyのアレックス・ペトレCEOは「炭素除去の未来は信頼にかかっている。Isometricの科学的・透明なアプローチが、我々の顧客や投資家にとってインフラ拡大の確信となる」と述べた。Isometricの創業者でCEOのイーモン・ジュバウェイ氏も「Deep SkyのDAC加速モデルを支援できることを誇りに思う。責任ある拡張こそが我々の使命だ」と述べている。参考:https://www.deepskyclimate.com/blog/deep-sky-selects-isometric-as-carbon-removal-registry-for-alpha-project