(画像出典:https://www.carboncell.co/press-releases)英ロンドンのスタートアップCarbon Cellは、約2.5億円(120万ポンド)のプレシードラウンド資金調達を実施した。調達した資金は、自然由来のポリマーとバイオ炭を活用したカーボンネガティブなプラスチック代替素材の量産体制を構築を目指す。この資金調達は、Green Angel VenturesとCounteractが主導し、HERmesaやRCA Design and Innovation S/EIS Fund、One Planet Capitalも参加した。発泡プラスチック市場に挑む「炭素固定型」技術Carbon Cellが開発した素材は、発泡プラスチック(発泡スチロールなど)に代わるカーボンネガティブな新素材である。従来の石油由来のポリマーではなく、廃棄バイオマスから生成したバイオ炭と自然由来のポリマーを使用している点が特徴だ。このバイオ炭は、通常であれば分解や焼却によってCO2を排出する廃棄物を低酸素環境下で処理し、数百年にわたって炭素を安定的に固定できる素材である。Carbon Cellの技術は、包装材や断熱材などの用途において、ポリスチレンやポリプロピレン系の発泡プラスチックの代替を目指し、その市場規模は約16兆円(1,090億ドル)にのぼるとされる。生産スケールアップと実証試験を実施へ今回の資金調達により、Carbon Cellはバッチ処理から連続生産への移行を進め、顧客向けの試験提供も展開する予定である。すでに、英国のイノベーション支援機関Innovate UKなどからの助成も受けており、今後の商業化フェーズへの加速が期待される。創業者でCEOのリズ・リー氏は、「この投資により、スケールアップと市場投入への大きな一歩を踏み出せる」と述べ、環境負荷の低い素材の実装に向けた意気込みを示した。参考:https://www.carboncell.co/press-releases