(画像出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000013.000110822.html)自然由来カーボンクレジットの信頼性向上を目指すスタートアップ、株式会社Archedaは10日、複数の国内ファンドを引受先とする第三者割当増資により、プレシリーズAラウンドの資金調達を実施したと発表した。今回の資金はdMRV(デジタル測定・報告・検証)ソリューションの開発加速と海外展開強化に充てる。複数ファンドが参画、地銀系も支援今回の出資には、ONEカーボンニュートラル1号投資事業有限責任組合(運営:ONE Innovators株式会社)や、MEイノベーション投資事業有限責任組合(運営:グローバル・ブレイン株式会社、三菱電機と設立)、北洋SDGs推進3号投資事業有限責任組合(北洋銀行・北海道共創パートナーズ)、札幌イノベーションファンド投資事業有限責任組合(株式会社DGインキュベーション)らが名を連ねた。ONE Innovatorsの清水孝行ジェネラルパートナーは「自然資本のデータマネジメントでユニークな立ち位置を築ける」と述べ、成長への期待を示した。衛星×AIで自然資本の可視化を高度化Archedaは、森林・農地・マングローブなど自然由来プロジェクトに対して、AI解析と衛星データを活用したモダンなdMRV基盤を提供している。従来の人手依存・高コストな手法を置き換え、プロジェクトの客観性・透明性を飛躍的に高めるのが狙い。これにより、以下の利点が得られるとしている。MRV関連コストの削減と業務効率化客観的データによる属人性排除横断的な比較可能性の確保データ蓄積によるプロジェクト最適化さらに、衛星データを用いた森林資源量の推定や、伐採状況の把握といった自治体・林業向けの支援事業も展開。既に国レベルのバイオマスマップ構築にも関与しているという。JAXA実証でも実績 国際標準化も視野にArchedaは、JAXA(宇宙航空研究開発機構)による実証プロジェクト「衛星データを活用した森林カーボンクレジット算定」にも参画。三菱電機と連携し、レーダ衛星「だいち2号」の活用を進めている。三菱電機の松原公実上席執行役員は「同社の技術は当社との親和性が高く、衛星データ利活用事業におけるシナジー創出に期待している」と述べた。グローバル展開に向けた人材強化へ調達資金は、以下の用途に重点的に投じられる。リモートセンシング解析エンジニアの採用事業開発・管理部門の体制拡充解析エンジンの高度化とプロダクト開発加速今後はアジアを起点に、自然資本評価のグローバルスタンダード化を視野に入れた展開を進める構え。代表取締役の津村洸匡氏は「アジア発の評価基盤を社会実装し、資金循環の仕組みを創出していく」と語った。今後の焦点、アジアでの本格展開と制度連携Archedaは既に複数のパイロットプロジェクトをアジア各国で実施中。今後は、国際認証スキーム(VCS、Gold Standard、JCM等)との制度整合や、各国政府・自治体とのパートナーシップ構築が焦点となる。参考:https://archeda.inc/news/20250610-1