(画像出典:https://archeda.inc/jp/news/20250716-2)人工衛星データとAI(人工知能)を使って、森林由来カーボンクレジットの信頼性を高める。スタートアップ企業の株式会社Archedaは、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の2025年度「SBIR推進プログラム」(連結型)に採択された。環境省がニーズを出した「AIを活用したClimate Tech」の研究テーマとして、Archedaの取り組みが選ばれた。カーボンクレジットは、森林保護や植林によって削減できたCO2を「クレジット」として売買する仕組みだ。しかし、どれだけCO2を減らせたかを計るデータは、今のところ更新が遅く、一般に公開される範囲も限られている。そのため、新しいプロジェクトの立ち上げや投資判断が遅れる原因になっている。Archedaはこの課題を解決するため、衛星データとAIを使い、森林のリスクマップを高頻度で更新する仕組みを作る。これにより、森林伐採のリスクや違法伐採の状況をリアルタイムに近い形でチェックできるようになる。また、クレジット発行時に必要な報告書も自動で作成できる仕組みを開発する。これが実現すれば、プロジェクト開発者や投資家は、より正確で信頼できるデータをもとに判断できるようになる。カーボンクレジット市場全体の透明性向上にもつながる。Archedaは2022年設立のスタートアップ企業。森林の保護・植林・再緑化(ARR)や、途上国の森林減少を防ぐREDD+など、自然を使ったカーボンクレジット事業に特化している。水田の間断灌漑(AWD)やマングローブ保護なども対象にしており、国際的な認証制度(VCS、Gold Standard、JCM)にも対応している。NEDOの「SBIR推進プログラム」は、スタートアップの研究開発を支援し、社会実装を後押しする仕組み。今回は、複数の省庁が連携する「連結型」として実施され、Archedaのプロジェクトもその一つに選ばれた。参考:https://archeda.inc/jp/news/20250716-2