ノルウェーのAker Carbon Capture ASA(ACC)は5月9日、産業用カーボンキャプチャー合弁会社「SLB Capturi」の20%持分を親会社のAker ASAに売却する契約を締結した。売却額は約88億円で、これに伴い約2,460億円規模の現金配当を実施予定。その後、会社の解散を目指す。88億円で売却、株価に15%プレミアムACCが売却するSLB Capturiの持分は20%。この株式は、Aker ASAの子会社であるACC HoldCoが約88億円の現金で取得する。これはACC株の直近終値に対して15%、30日平均に対して19%のプレミアムを上乗せした水準だ。また、Aker Capital ASがSLB Capturiに関連するACCの未払い負債を保証することで、ACCの財務負担軽減と現金余力の拡充が図られる。株主に総額約2,460億円の特別配当取締役会は、総額約2,460億円の特別配当を提案している。これは1株あたり約40円(NOK 2.86)に相当し、売却益および既存の内部留保から捻出される予定。配当の承認は2025年5月15日の臨時株主総会で審議され、実施は2025年第3四半期を予定している。さらに、ACCは会社の清算(解散)提案を年内中に株主へ諮る見込みで、解散後は残余資産も株主に再分配される。脱炭素JVの今後に注目Aker Carbon Captureの会長、カール・エリック・シェルスタッド氏は「本取引により、当初の計画より2年早く資本を還元できる。変動の激しい市場環境のなかで最適な選択だった」とコメントした。SLB Capturiには引き続きAkerグループが関与するため、産業用カーボンキャプチャー分野での脱炭素加速に向けた事業継続体制は維持される。SLB Capturiは、エネルギー大手SLBとの共同出資によって設立されたCCUSの中核事業体であり、今後も欧州を中心に脱炭素技術の実装を進めてく方針だ。参照:https://www.prnewswire.com/news-releases/aker-carbon-capture-has-decided-to-sell-its-20-percent-ownership-interest-in-slb-capturi-to-aker-targeting-cash-distribution-to-its-shareholders-and-subsequent-liquidation-302450846.html