(画像出典:https://acrcarbon.org/news/plugging-orphaned-oil-and-gas-wells-methodology-v1-0-made-inactive/)米国のカーボンクレジット認証機関ACRは5月16日、放置された油井やガス井の封鎖によるメタン排出削減を評価するための方法論を、5月9日付で一時的に無効にしたと発表しました。新たなバージョンは2026年の公開を予定しており、これは現場ごとに異なる条件でも安定して適用できるようにするための措置とされています。世界初の専用ルール、温室効果ガス削減と資金支援に貢献この方法論は2023年5月に発表されたもので、アメリカとカナダで放置された油井・ガス井から排出されるメタンを封じ込め、それによるメタンの排出削減量をカーボンクレジットとして認証する世界初のルールでした。米国環境保護庁(EPA)によると、放置された井戸からのメタン排出はCO2換算で、年間700万トン以上と見積もられています。ACRは、過去2年以上にわたるプロジェクト運営や排出量の検証実績をもとに、新バージョン(Ver.2.0)を策定するとしており、この更新には、専門家の意見や科学的な審査、一般からの意見募集も含まれます。更新の目的は、幅広い現場条件に適応できるルールをつくり、より多くのプロジェクトで活用できるようにすることです。 今回の変更によって、すでに認証を受けたプロジェクトや発行済みのカーボンクレジットに影響はありません。また、ACRからメタン測定手法の承認を受けているプロジェクトは、現行バージョンで検証を完了できます。新しいプロジェクトも、2026年の新ルール発表までは登録が可能ですが、正式な承認がない場合は新バージョンに基づいて検証・認証を受ける必要があります。参考:https://acrcarbon.org/news/plugging-orphaned-oil-and-gas-wells-methodology-v1-0-made-inactive/