海運脱炭素化に向けた“即時導入型”ソリューションが実用段階へ2025年4月16日、米カリフォルニア州のSTAX Engineeringと英国の気候テックスタートアップSeaboundは、船舶の排出ガスとCO2を一体的に処理する統合型カーボンキャプチャー・システムのライブデモンストレーションを成功裏に実施した。実演はロングビーチ港にて行われ、海運業界の脱炭素化における画期的な進展として注目を集めている。NOx・PM・CO2を一括処理、改修不要の“即時展開型”このシステムは、STAXのモバイル排出制御技術とSeaboundの小型CO2回収ユニットを融合したもので、船の煙突に直接接続して排出ガスを浄化。デモでは、Wallenius Wilhelmsen社のコンテナ船に装着され、窒素酸化物(NOx)や粒子状物質(PM)、さらには最大95%のCO2、90%の硫黄分を除去することに成功した。特筆すべきは、船体の改修や港湾インフラの大規模な整備を必要とせず導入可能な点。既存船舶に即時展開できるコスト効率の高いソリューションとして、同分野では稀有な存在だ。カリフォルニア大気資源局(CARB)や英国港湾でも注目デモには、カリフォルニア大気資源局(CARB)や南海岸大気質管理地区(SCAQMD)のほか、港湾・海運業界の関係者が多数参加。両社は今後、英国・サウサンプトン港でのパイロット導入を計画しており、世界展開を視野に入れた拡大戦略に移行しつつある。SeaboundのCEOであるアリーシャ・フレドリクソン氏は「STAXとの協業により、船舶搭載型の炭素回収技術が現実的かつグローバルスケールで効果的に機能することを証明できました。」と述べた。STAX CEOのマイク・ウォーカー氏も、「ゼロエミッション社会に向けた転換点であり、これは始まりにすぎない」と語っている。参照:https://www.staxengineering.com/stax-hub/stax-and-seabound-demonstrate-first-integrated-emissions-and-carbon-capture-system/