ロンドンで6月10日、再生可能エネルギーベンチャーのReGenEarthは、循環型エネルギー専業のRER Capitalと共同で1億ポンド(約200億円)規模のグリーンボンドを正式発行した。発行体は特別目的会社RER Capital PLCで、国際資本市場協会(ICMA)のグリーンボンド原則に準拠。利回りは年12.5%、満期は2030年で、資金はバイオ炭を活用した炭素除去(CDR)事業に充当される。ReGenEarthは既存の嫌気性消化(AD)やバイオマス発電施設にバイオ炭製造設備を追加導入し、創出されたカーボンクレジットをボランタリーカーボンクレジット市場へ供給する計画だ。ボンドの担保は稼働中のADプラントを含むハードアセットで、調達資金はReGenEarthの全額出資子会社に貸し付けられる。投資家説明会は6月10日にロンドン工学技術院(IET)で開かれ、格付け機関BeZero、技術パートナーOnnu、ブルネル大学化学工学部などが参加し、カーボンクレジット価格動向やCO2回収技術を議論した。ミッキー・ルーニーCEOは「私たちは『廃棄物を気候の富』へ変換する。12.5%の利回りで炭素を数世紀封じ込め、作物と気候、そしてキャッシュを同時に育む」と強調した。英国政府はCDR市場開発ロードマップ(2023年12月)で、2030年までに年間500万~1,000万t-CO2の除去量を目標化。ReGenEarthの計画はその3〜6%を単独で賄う試算となり、バイオ炭領域の先行事例として注目される。競合する直接空気回収(DAC)は初期投資が重い一方、バイオ炭は既存プラント活用でコスト優位がある。参考:https://regenearth.co.uk/news/regenearth-rer-capital-launch-100m-green-bond-programme-to-fund-biochar-innovation