欧州大手自動車メーカーのステランティスは、2025年もテスラからCO2排出枠(カーボンクレジット)を購入する方針を明らかにした。EUの新ルールにより排出量の3年平均化が可能となったが、自社での基準達成が難しいため、引き続き外部のクレジットに依存する。カーボンクレジットは、排出削減に成功した企業がその実績を他社に販売できる制度で、EVを主力とするテスラは多くのクレジットを生み出し、これまでに約100億ドルを売り上げている。ステランティスはEUの規制値に届かない販売比率を補うため、同制度を活用してきた。2025年時点で、ステランティスの欧州におけるEV販売比率は14%にとどまり、EU目標の21%を下回る。ハイブリッドや電気自動車への投資を強化しているが、短期的にはクレジット購入で規制に対応する構えだ。欧州統括責任者のジャン=フィリップ・アンパラト氏は「手段はすべて使う」と述べ、対応姿勢を示した。同社はイタリア・トリノの工場でフィアット500のハイブリッド生産を2025年11月に開始し、年間13万台の生産を計画。これを含めた中期戦略により、2030年までに欧州の販売車をすべて電気自動車にする方針を掲げる。さらに、電池技術やEVインフラへの投資、バッテリーメーカーとの連携なども進めている。EUは当初、2025年までに各社が個別目標を達成するルールを定めていたが、業界の要望を受けて、2025〜2027年の3年平均に変更。これにより一定の猶予は生まれたが、規制自体は厳しさを維持している。ステランティスがテスラのクレジット購入を続ける背景には、EV移行の難しさと、規制とのバランスを取る苦労がある。制度の猶予は一時的措置であり、脱炭素に向けた実質的な進展が今後の焦点となる。引用:https://www.reuters.com/sustainability/climate-energy/stellantis-buy-co2-credits-tesla-pool-also-2025-exec-says-2025-03-29/