不動産建設業を展開するタミヤホームは2026年1月28日、自社の森林保全プロジェクト「Tamiya Forest Symphony」における保有林の総面積が、2025年末時点で30ヘクタール(30万平方メートル)を超過したと発表した。
同社は都市部での解体や建設に伴う環境負荷を相殺するため、自社保有林による炭素吸収を強化しており、排出量を吸収量が上回るカーボンネガティブの達成を成長戦略の核に据える。
今回の規模拡大により、同プロジェクトが保有する山林は、日本の森林データを基にした試算で年間計300トンの二酸化炭素(CO2)を吸収する計算となる。同社は2024年に栃木県や京都府などで12ヘクタールの森林保有を開始して以来、わずか1年で保有面積を約2.5倍に拡大させた。2025年には広島県、滋賀県、千葉県、和歌山県、三重県、宮城県など、全国10カ所以上の新たな拠点を確保し、地域分散型の保全ネットワークを構築している。
タミヤホームは「都市で木を扱い、壊す」責任を持つ解体・建設業者として、その上流工程にあたる「森を育む」プロセスに直接関与することを重視している。同プロジェクトでは、単なる炭素吸収にとどまらず、森林の保水能力向上による「天然のダム」機能の強化や、将来的な森林資材の堆肥化・再活用といった資源循環モデルの確立も視野に入れている。
代表取締役社長の田宮明彦氏は「2025年に森林保有面積が30ヘクタールを超えたことは、タミヤホームが単なる不動産建設会社ではなく、地球環境の一部として資源の循環に責任を持つ企業へと進化した証である」と述べ、解体と再生を調和させる意義を強調した。
今後は、2026年度中にもさらなる保全エリアの拡大を目指すとともに、保有林から創出されるJ-クレジット等の活用や、企業の社会的責任(CSR)を超えた独自の脱炭素ビジネスモデルの深化が注目される。
本件は、建設・解体という「炭素排出」と不可分な業種が、外部からのクレジット調達に頼るのではなく、自社で直接「炭素吸収源(シンク)」を確保・管理する戦略を鮮明にした事例といえる。
近年、カーボンクレジットの価格変動や品質への不信感が国際的な課題となる中、実体のある国内森林を自社保有することは、長期的なオフセットコストの固定化と、ステークホルダーに対する透明性の高い環境訴求を可能にする。
特に、一都三県を地盤とする企業が地方の森林保全を全国規模で加速させている点は、都市と地方を「炭素」という軸でつなぐ新しい循環型ビジネスの先駆けとなるだろう。
今後は、この30ヘクタールの森林から創出される吸収量が、同社のサプライチェーン全体(Scope3)をどこまでカバーできるのか、より具体的なデータ開示が期待される。
参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000043.000083151.html


