地域森林保全へ85万円を投資 カネコ商会が津南町のJ-クレジット100トンを購入

村山 大翔

村山 大翔

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新潟市の株式会社カネコ商会(カネコ商会)は2025年12月18日、新潟県津南町と津南町森林組合が運営する「苗場山麓 竜神の森プロジェクト」から、100トン(t-CO2)のJ-クレジットを購入した。

購入総額は85万円にのぼり、翌19日には津南町役場でカーボン無効化証明書および感謝状の授与式が執り行われた。

本取引は、地域資源を活用したカーボンオフセットを通じて、企業のサステナビリティ経営と地方自治体の環境保全を直接結びつける先進的なモデルとして注目される。

今回のクレジット購入は、カネコ商会が推進する「環境負荷の見える化」と「脱炭素化」に向けた戦略の一環として実施された。同社は自社の省エネ化を加速させる一方で、削減困難な排出分について地域プロジェクトのクレジットを活用し、オフセットを完了させた。カネコ商会は「企業活動に伴うCO2排出量削減をビジネスを通じて積極的に取り組むとともに、サステナビリティ経営を加速させる」と表明し、地球環境保護への貢献を強調した。

「苗場山麓 竜神の森プロジェクト」は、雪国特有の豊かな森林環境を次世代に残すことを目的とした森林吸収系プロジェクトである。津南町によれば、クレジット売却による収益金はすべて町内の森林整備に再投資される。これにより、CO2吸収量の増大だけでなく、山間部と都市部が連携した国土保全活動の持続可能性を確保する仕組みを構築している。

津南町は今回の購入について、「地域の森林資源保全と脱炭素社会の実現に向けた民間企業の積極的な寄与として高く評価する」と述べた。また、町内資源を活用したカーボンクレジット創出の取り組みが、企業のサステナビリティ経営に活用される形で広がっている現状を「大変心強く受け止めている」と指摘した。

J-クレジット制度は、省エネルギー設備の導入や森林管理によって得られた温室効果ガスの排出削減・吸収量を、国が認証する制度である。創出されたクレジットは、企業のカーボンオフセットや温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度(SHK制度)などでの活用が可能となっている。

カネコ商会は、今後もSDGsの達成に向けた環境負荷低減活動を継続する方針だ。津南町もまた、今回の事例を追い風に、より多くの企業との連携を通じた「100年後も雪国であるための環境づくり」を加速させる。

今回のカネコ商会による100トンのクレジット購入は、単なる「環境貢献」を超え、地産地消型のカーボンクレジット活用の重要性を示唆している。

グローバルなボランタリークレジット市場が品質問題で揺れるなか、日本国内のJ-クレジット、特に自治体が主導する森林系クレジットは、その透明性と地域還元性の高さから国内企業にとって「顔の見える」投資先としての価値を高めている。

今後は、津南町のような自治体が、いかにしてクレジットの「付加価値(生物多様性や地域経済への波及効果)」を定量化し、企業側に訴求できるかが、J-クレジット価格の維持とプロジェクト拡大の鍵となるだろう。

参考:https://www.town.tsunan.niigata.jp/soshiki/somu/zerocarbonjuyo-kaneko-s.html