最新ニュース
オフセット事例

日立ヴァンタラ、IT基盤のCO2をJ-クレジットで相殺する新サービスを開始

2026.06.01 読了 約3分
日立ヴァンタラ、IT基盤のCO2をJ-クレジットで相殺する新サービスを開始
出典:イメージ

日立製作所のグループ会社である日立ヴァンタラは2026年5月29日、as a Service型ITプラットフォーム「Hitachi EverFlex」において、IT基盤の利用に伴って排出されるCO2をJ-クレジットであらかじめ相殺するカーボンオフセット付きサービスを開始した。

利用企業はJ-クレジットを個別に購入することなく、実質的にCO2排出ゼロのIT機器を導入できる。オフセット量は、提供するIT機器の消費電力に基づき、サービス契約期間中に排出される見込みのCO2排出量を算出して設定する。

サービスの仕組みと協業体制

日立ヴァンタラは、従来のas a Service型ITプラットフォームの提供・運用に加え、J-クレジットの調達、無効化、管理までを一括で担う。利用企業はカーボンオフセットのための個別の手続きを要さず、IT投資と環境負荷低減を同時に進められる。

このうちJ-クレジットの調達および無効化機能を担うのが、ビジネスパートナーである三菱HCキャピタルである。両社はこれまでEverFlexのサービス基盤構築で協業してきた経緯があり、日立ヴァンタラのIT基盤構築・運用ノウハウと、三菱HCキャピタルが持つJ-クレジットの創出・調達・活用に関する知見を組み合わせる形で本サービスを実現した。

三菱HCキャピタルの後藤浩司常務執行役員は、同社がJ-クレジットの調達・無効化機能を提供することで、IT基盤の利用に伴うCO2排出量のオフセットをワンストップで実現する点に意義があるとコメントしている。

なお今回の発表では、ランサムウェア対策を含むサイバーセキュリティ強化や、オンプレミスとパブリッククラウドを連携するハイブリッドクラウド対応もあわせて打ち出された。

編集部の視点

本件は、ITベンダーがカーボンオフセットを自社サービスに組み込む動きの一例として位置づけられる。

カーボンクレジットの調達から無効化、管理までを代行する「クレジット付きサービス」は、ベンダー側にとって差別化を図る攻めの一手であり、最終利用者にとっても個別調達の手間を負わずに排出を相殺できる手軽さがある。

ただし、提供者側が実施するこのオフセット分を、最終利用者が自社のGHGインベントリ上の削減として計上することはできない。この区別を曖昧にしたまま「実質ゼロ」を打ち出せば、開示上の整合性を欠くリスクが残る。

また、オフセットを提供者側が担う構造では、調達するカーボンクレジットの品質に対する責任も提供者に移る。デューデリジェンスを含む品質管理の確かさが、最終利用者からの信頼を左右するだろう。

参考:https://www.hitachivantara.com/ja-jp/news/jp260529

カーボンクレジット.jp 編集部
カーボンクレジット.jp編集部|2023年末に当時日本初かつ唯一のカーボンクレジット専門情報メディアを立ち上げ。高度な専門性とわかりやすさを追求した翻訳力。