静岡市を中心に廃棄物収集運搬を手掛ける株式会社エー・シー・ピー商事は2026年2月10日、不用品回収に伴う二酸化炭素(CO2)排出量をカーボンクレジットでオフセットする新サービス「エシッちゃるら」の提供を開始した。
同社はJ-クレジット制度を活用した森林由来のクレジットを購入することで、回収作業における環境負荷を実質ゼロにすることを目指す。地方の廃棄物処理業者が、消費者参加型のカーボンオフセットをサービスに組み込むのは全国的にも先進的な事例となる。
今回の新サービスでは、利用者が通常の回収料金に加え、運搬距離などに応じた追加費用を負担する。エー・シー・ピー商事はこの費用を原資として、国内の森林保全活動から創出されたJ-クレジットを取得・償却し、排出されるCO2を相殺する。
年間1,000件以上の回収実績を持つ既存ブランド「うっちゃるら」にエシカルな付加価値を加えることで、脱炭素社会に向けた市民の意識変革を促す狙いがある。
エー・シー・ピー商事は1978年の創業以来、静岡県内で産業廃棄物および一般廃棄物の収集運搬を展開してきた。同社はグループ内に処分業を担う有限会社エーシーピー物流を持ち、収集から処分までの一貫したリサイクル体制を構築している。
これまでの「適正処理」という信頼感に加え、今回のカーボンクレジット活用により、廃棄物処理のバリューチェーン全体での低炭素化を推進する姿勢を鮮明にした。
エー・シー・ピー商事の小笠原英訓代表取締役は「ごみを“ただ捨てる”から、“地球にやさしく片付ける”へ。お客様が手軽に環境保全へ参加できる仕組みをつくりたいと考えた」と述べ、地域密着型の環境配慮ビジネスを拡大させる意向を示した。
本件は、カーボンクレジットが「大企業の取引」という枠を超え、地方のBtoCサービスにおける差別化戦略として浸透し始めた象徴的な事例である。
特筆すべきは、排出量を事業者が一方的に負担するのではなく、消費者が「追加費用」として選択できる仕組みにした点だ。これは、カーボンクレジットのコストをエンドユーザーが負担する「エシカル消費」の定着を占う試金石となるだろう。
中小企業がJ-クレジットを活用する際の、一つのロールモデルとなる可能性がある。
参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000175854.html
