香川銀行がJ-クレジット88トンを寄贈 地場7社と連携し「地産地消」の脱炭素推進

村山 大翔

村山 大翔

「香川銀行がJ-クレジット88トンを寄贈 地場7社と連携し「地産地消」の脱炭素推進」のアイキャッチ画像

トモニホールディングス傘下の香川銀行は2月2日、取引先企業7社が発行した「かがわカーボンオフセット型私募債」の受託を通じ、高松市へ計88トンのJ-クレジットを寄贈すると発表した。

今回の取り組みは、四国エリアで創出されたカーボンクレジットを地元の行政イベントなどの排出量相殺(オフセット)に活用するもので、2月9日に高松市役所で感謝状贈呈式が執り行われる。

本施策は、私募債を発行する企業が銀行に支払う手数料の一部(発行額の0.1%相当)を原資に、香川銀行がJ-クレジットを購入して自治体に寄贈する仕組みである。寄贈された88トンのクレジットは、高松市が主催・所管するイベント等で発生するCO2の埋め合わせに充てられる。発行体となったのは、まるほ食品株式会社や合音精麦株式会社を含む、香川、大阪、愛媛に拠点を持つ多様な業種の7社だ。

カーボンクレジットの調達においては、香川県内を含む四国エリアで創出されたプロジェクト由来のものを選択しており、地域の環境価値を地域で循環させる「地産地消型」のモデルを提示している。地方銀行が介在することで、単独ではクレジット調達やオフセット手続きが困難な中小企業に対しても、資金調達とセットで脱炭素への貢献機会を提供した形となる。

高松市では、副市長の小泉誠氏や環境局長の参加のもと贈呈式が行われる予定であり、自治体側もこうした民間主導のクレジット寄贈を歓迎している。香川銀行は「今後ともお取引先における地域の脱炭素化に向けた取り組みを積極的に支援していく」と述べており、次なる私募債の発行やクレジット活用の拡大が注目される。

今回のニュースは、地方銀行が「金融商品」と「カーボンクレジット」を組み合わせることで、地域経済の脱炭素化を加速させる好例だ。

特に注目すべきは、四国エリア産のJ-クレジットに限定して調達している点である。これにより、クレジットを購入する資金が地域の環境保全活動(森林整備や省エネ設備導入など)に還流し、持続可能な地域エコシステムを構築している。中小企業にとっては、複雑なクレジット市場に直接参入せずとも、私募債発行という既存の財務アクションを通じてESG経営を対外的にアピールできるメリットがある。

今後、こうした「地産地消型オフセット」の動きは、他の地方自治体や地域金融機関にも波及する可能性が高い。

参考:https://www.kagawabank.co.jp/news/doc/nr26020202.pdf